政府 ロシアへの乗用車輸出禁止 大幅強化へ

ウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁を強めるため、政府は、ロシアに対する乗用車の輸出禁止などの措置を大幅に強化する方針です。対象にはロシアで人気が高い日本の中古車も含まれ、来週にも閣議決定する見通しです。

関係者によりますと、新たに輸出が禁止される方向で調整が進められているのは、排気量が1900CCを超えるガソリン車やディーゼル車のほか、ハイブリッド車や電気自動車などです。

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、政府は去年4月から、価格が600万円を超える高級車でロシアへの輸出を禁止していましたが、今回の追加制裁によって、一部の小型車を除けば、中古車を含めた乗用車の多くが輸出できなくなる見通しです。

ことし5月のG7広島サミットでは、ロシアに対する制裁の継続や強化で各国が一致し、その後、アメリカやEU=ヨーロッパ連合が乗用車の禁輸措置の強化に動いていたことから、日本も足並みをそろえるねらいがあるとみられます。

財務省の貿易統計によりますと、日本からロシアへの輸出の総額は去年1年間でおよそ6039億円にのぼり、金額では乗用車の比率が50%を占めています。

政府は来週にも関係する政令を閣議で決定し、新たな禁輸措置を適用する見通しです。