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新潟 知っておきたい原子力 安定ヨウ素剤

  • 2023年03月09日

シリーズ「知っておきたい原子力」。今回は甲状腺の内部被ばくを抑える効果がある「安定ヨウ素剤」についてです。原発事故の際に身を守るため、最大限の効果を得るようにすることが重要です。万が一に備え、県の取り組みも進められています。

「安定ヨウ素剤」とは

安定ヨウ素剤

「安定ヨウ素剤」は原発事故が起きた場合、甲状腺の内部被ばくを抑える医療用の医薬品で、主な成分はヨウ化カリウムです。

事故によって放射性物質の1つである「放射性ヨウ素」が体内に取り込まれると、甲状腺に蓄積し、数年から数十年後に甲状腺がんなどを発症するリスクが高まるとされています。

新潟県によりますと「放射性ヨウ素」を体内に取り込むまでの24時間以内に服用することで、服用したあとに甲状腺に蓄積する放射性ヨウ素の量を抑える効果があります。

国や自治体の指示があった時に適切な量の服用が必要で、13歳以上は2錠、3歳から12歳は1錠、3歳未満はゼリー状の薬1本。服用回数は原則として1回で、甲状腺の働きが活発な若い世代ほど効果が大きいということです。

適切な服用のため事前配布も

東京電力・柏崎刈羽原発で事故が起きた際の住民の避難をめぐる課題を検証する県の委員会の報告書では、服用のタイミングが極めて重要で最大の被ばくが予想されるタイミングで服用できるかどうかがポイントになるとしています。
そして避難時に配布する場合、適切に行き渡るかどうかや、服用が遅れ、効果が十分得られないおそれがあるなどと指摘しています。つまり、服用を指示する国や自治体の判断と住民への周知方法が重要となります。
県は柏崎刈羽原発から30キロ圏内の住民のうち、40歳未満の人や40歳以上の妊娠中の人などを対象に事前配布することにしていて、一部の地域ではすでに始まっています。

県は平日の午前8時半から午後5時15分まで問い合わせの窓口を設けています。
電話番号は025(280)5187です。

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