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新潟 知っておきたい原子力 PAZとUPZ

  • 2023年03月08日

シリーズ「知っておきたい原子力」。今回は原子力発電所からの距離によって分けられる区域、「PAZ」と「UPZ」についてです。

「PAZ」「UPZ」とは

「PAZ」は原発事故が発生した場合、ただちに避難を行う範囲のことで、原発からおおむね半径5キロ圏内。

「UPZ」は事故に備えて避難などの対策を準備する範囲を示し、原発からおおむね半径5キロから30キロ圏内です。

新潟県内では「PAZ」には柏崎市の一部と刈羽村、「UPZ」には柏崎市の一部と長岡市や上越市、燕市、見附市、小千谷市、十日町市、出雲崎町など合わせて8つの市と町が含まれます。

事故時 区域によって異なる対応

県の原子力災害の広域避難計画では、それぞれの区域で原発事故が起きた場合の対応の違いが示されています。原発により近い区域にあたる「PAZ」については、避難に時間のかかる人や妊娠中の人など「要配慮者」を優先して放射性物質の放出が確認される前からほかの地域への避難を始めることになっています。

一方、一斉に避難を始めることで渋滞が発生し、かえって被ばくするおそれがあることから「UPZ」では原則として「屋内退避」を行うとされています。

緊急時のモニタリングの測定結果で空間の放射線量の割合が一定以上に上昇した場合には避難が必要になります。さらに地震や大雪などが同時に発生し、「屋内退避」が危険な場合も避難する可能性があります。

「国や県の説明不十分」との指摘も

県の避難委員会の報告書

東京電力・柏崎刈羽原発で事故が起きた際の住民の避難をめぐる課題を検証する県の委員会の報告書では、「屋内退避」や段階的な避難について国や県の説明が不十分だと指摘し、自治体ごとに異なるマニュアルではなく、県が統一的な対応を検討する必要があるとしています。

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