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教えて加藤さん 晴れていても雨や雪が降ってくるのはなんで?

  • 2023年03月10日

最近新潟県に引っ越してきたという方から「新潟では青空でも雨が降ってくることに驚いています」というお便りをいただきました。冬の県内の天気は変わりやすいのが常ですが、特に西高東低の気圧配置のときは日差しがあるのに雨や雪が降るということが起こりやすくなります。

西高東低の気圧配置のとき

日本付近から見て西の気圧が高く東の気圧が低いことを「西高東低の気圧配置」と言います。冬に典型的に現れる気圧配置です。

冬に西高東低の気圧配置になると、主に北西から冬の季節風が日本列島に吹き込んできます。大陸育ちの冬の季節風は寒冷で乾燥しているという性質がありますが、日本海上で温暖な対馬海流から水蒸気や熱を吸収し、日本海上では雪雲や雨雲が発達します。いわゆる筋状の雲です。季節風が強いと、筋状の雲が日本海をびっしりと覆い、しばしば大雪になります。

2023年1月25日正午 衛星画像
JMA NOAA/NESDIS CSU/CIRA

ただ、必ずしも雲が日本海をびっしり覆うわけではありません。寒気の強弱や海面水温の高低によっては雲同士の間に隙間ができることもあるんです。

雲に隙間ができると…

雲同士に隙間ができている時を地上からの目線で考えてみましょう。

一時的に青空が見えていても、前後には雨や雪を降らせる雲が控えているという状態になります。これらの雲が風で一定方向に移動すると雲がかかったりとれたりが続き、天気が非常に短い周期で変わることになります。

風で流されてくることも

加えて風が強いとき、雲が頭上に来ていなくても雪や雨が風に流されて先にやってくることがあります。この場合、よく晴れているのに雪や雪が降ってくる天気になります。

西高東低の気圧配置で風が強いときは、気象レーダーの観測で降水を捉えられていない場所でも雪や雨が降ってくることもあります。気象情報で「西高東低」や「冬型」といったフレーズを聞いた場合、一時的な晴れ間にだまされないようにお気をつけ下さい。

今回のお答え

西高東低の気圧配置だと雨や雪が小刻みに降ることも

「教えて加藤さん」天気の疑問・質問募集中!
どうしてこんな天気になるの? 気象情報でよく聞く「○○」ってどういうこと?
「新潟ニュース610」で気象情報を担当している加藤直樹キャスターが、みなさんの天気の「?」=疑問・質問にお答えします。質問はコチラから。

  • 加藤直樹

    気象予報士

    加藤直樹

    秋田放送局を経て新潟放送局1年目。休日は山登りをしながら空を眺めています。

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