2021/10/19(Tue) 10:00北アルプス国際芸術祭 ここは宇宙?!な作品

現在、開催中の「北アルプス国際芸術祭」。
大町市内に34点のアート作品が点在する現代アートの祭典です。

テレビやラジオでお伝えしていない、
でも、ぜひ見ていただきたい作品をここで紹介させてください。

え?!わたし宇宙に迷い込んじゃった...?!

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あれ?さっきまで山に囲まれていたのに
なぜ宇宙に...?!と混乱してしまうぐらい、異空間。
これは静岡出身のアーティスト・青島左門さんの
いのちの記憶」という作品です。

作品は、大町市美麻の屋内ゲートボール場に設置されています。

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光が降り注ぐゲートボール場ですが、

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この入り口を一歩進めば、
飲み込まれそうなぐらいの漆黒の世界へようこそ。

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ううーん。平衡感覚がなくなる...とふらふらしながら、もっと近づいてみます...。

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キラキラと瞬く光の粒の集合体だったのか!
しかも、光一つ一つの色が若干異なります。
これは星なのかなあ...と、ぼーっと見つめているうちに
時間もわからなくなっていきそう。
そんな不思議な空間です。

制作者の青島さんにお話を聞いてみました。
「プラネタリウムみたいですね」と言うと青島さんは
「人工的な星ではなく、
本当にそこに星があるような体験を生み出しました」
とおっしゃっていました。
確かに...。
まるで一つ一つの光の粒が意志を持っているかのように
時折瞬いてみせるのはそういうことなのか...。
でも、どうやって?

自然光と地域の助けが生んだ
実は、光は人工光ではなく、自然光なんです。
ゲートボール場の窓から降り注ぐ太陽の光を利用しています。
なので、その日の天気や雲の動きなどで
光の強さや瞬き方が変化する、
自然と一体となった作品となっているのです。
漆黒の空間の見えないところに
自然光を取り入れる仕掛けが隠れています。
(仕掛けの詳細に関しては秘密)

この作品は、地域の人たちのあたたかい助けのもと、完成しました。
建築家や大工さんが青島さんのアイデアを実現できるよう
設計や耐震性に関するアドバイスをしてくれたとのこと。
そして、壁面の取り付けなど、実際の施工も行ってくれたそうです。
そのほか大町市役所の方や近所の人なども手助けに入り、
総勢30人ほどのボランティアが制作に関わっています。

青島さんは「たくさんの方に手伝っていただいた。
皆さんとの信頼関係がなければ作品は完成しなかった」
とおっしゃっていました。

「作品名『いのちの記憶』ってどういうことですか?」と
青島さんに問いかけてみると、
「光がないと人は存在しません。光は存在そのものに関係しています。
光によっていのちを表現しているのです」とのこと。

どこまでも続くような宇宙を思わせる空間に身を置くと、
自分自身も一つの生き物なんだと感じられる。
そんなねらいがあるんだそうです。

青島左門さんの「いのちの記憶」は
大町市の美麻二重屋内ゲートボール場にあります。
不思議な宇宙空間をぜひご体感ください。

青島左門 http://samonaoshima.com/
北アルプス国際芸術祭 https://shinano-omachi.jp/

投稿者:星庵美咲 | 

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