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茨城・日立 まちのコイン「タッチ」で地域活性化 使い方や仕組みは?

「いば6が行く」5/24放送 リポート デジタル地域通貨アプリで活性化 
  • 2024年05月24日

日立市でことし4月「まちのコイン」というデジタル通貨アプリを活用して地域を活性化しようという取り組みが始まりました。「タッチ」というデジタル地域通貨が利用できます。
使い方やどのように使われているのか、現場を取材しました。
(水戸放送局 記者 相野台弘)

NHKプラスで配信 5/31(金) 午後7:00 まで

まちのコイン 「タッチ」とは

これは日立市が、神奈川の企業が開発したシステムを使って4月から運用を開始したものです。

アプリを通じて、「タッチ」というデジタル地域通貨が利用でき、ためたり、使ったりできます。

お金に代えることはできません。

「タッチ」の名称は人と人がふれあうきっかけをつくりたいという思いからつけられたものでゴミ拾いなどのボランティアに参加するともらうことができ、店などが企画した体験イベントや商品の購入などででも利用できます。

地域通貨の仕組みのイメージ図です。

運営事務局を務める日立市が、アプリを通して加盟する市内の店や団体に、それぞれが希望する必要な数の「タッチ」を分配します。
そして、店や団体は、タッチをもらえるボランティアやタッチを利用ができるサービスなどを企画していきます。

利用者は、企画に参加してタッチをもらったり、使ったりしてイベントやサービスを楽しみます。

アプリには、店や団体が企画したイベントなどが掲載されています。その数は約200にのぼっています。

日立市は、まちのコインをきっかけに人とのふれあいや交流が盛んになれば経済の活性化にもつながると期待しています。

プラネタリウムや飲食店で

すでに日立市のさまざまなところでタッチが導入されています。

こちらは市内のプラネタリウム。

家族が撮影しているのは、子どもの誕生日の星座、おとめ座です。

タッチを支払うと利用できるサービスです。通常のお金の支払いでは、体験できません。

取材した家族
娘の記念になっていいと思います。
なかかなかこういう機会もないので、すごくいい事業だと思う。

そしてこちらは、海を一望できる人気のカフェ。

海を一望できるカフェ

1000タッチで、リゾート気分を味わえる席に優先的に座れるといいます。

成果を上げるコーヒー店も

この事業に参加し成果を上げている店も出てきています。

市内のコーヒー店です。

この店では、タッチを使わないと購入できない新メニューを考案。

キャラメルソースとコーヒーゼリーなどが入ったラテです。

料金は、570円に加えて100タッチを支払う必要があります。

来店者
タッチ限定メニューがあるとお得感があると、とても楽しんでいます。

このメニュー目当てに新たな客が増えたといいます。

店主
反応はすごくいいですね、このキャラメルゼリーラテを飲みたいからアプリをインストールされたという方もたくさんいらっしゃいましたのでとてもいい取り組みなんじゃないかなと考えています。

健康教室では

一方で、地域づくりに取り組んでいる地元の団体では、参加者を増やすきっかけづくりに活用しています。

この団体では、高齢者の介護予防やひきこもり予防につなげようと健康教室を開いています。

しかし、新型コロナの感染拡大で中断した時期が長かったこともあり再開したあとの参加者は、6割ほどまでに減りました。

そこでこの団体では、参加すれば50タッチをもらえる特典をつけたところ、少しずつですが、参加者が増えてきたといいます。

初めての参加者
いい汗かきました。タッチがいろいろたまるのでそれが楽しみですね。

別の参加者
お得ですよね。つい先日もたまったので、お花屋さんでドライフラワーがほしかったのでタッチで交換してきました。

主催している団体側も効果を実感しています。

日立市大沼学区コミュニティ推進会 佐藤忠良 会長 
まちのコインという制度があるんですよって説明したら、興味を持ってくれた人はかなりいたものですから、これからのやり方って言いますか広め方次第では期待できる部分があるかなと思います。

日立市では、地域通貨を通じた交流が市の活力や魅力につながると期待しています。

日立市コミュニティ推進課 永井 康介さん
人どうしのつながりがあるからこそ、何かしようって言った時にイベントができるとか、お店に来てもらえるとか、人のつながりが全てだという風に感じております。日立ってあたたかいまちだから、遊びに行ってみたいなとか、そういった交流人口の創出につなげていきたいです。

今後の課題は

市によりますと、このアプリの登録は5月23日時点で3900人で今年度の目標の7割を超えているということです。

たまったタッチは使用期限が90日なのでためたタッチの利用促進を図る仕組みにもなっています。

一方、取材ではまだタッチを利用したいと思えるサービスの種類が少ないと感じている人もいました。

今後さらに事業を広げていくためには、さまざまな商店や団体が魅力的なアイデアを出し合って、盛り上げていく必要があると感じました。

 

NHKプラス配信終了後はこちらから

 

いば6が行く 県北特集

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  • 相野台弘

    日立支局 記者

    相野台弘

    茨城県内出身。平成26年から日立支局でニュースや話題を中心に取材。
    テレビカメラを担いで県北地域の隅から隅まで出動中。2児の父で子育てにも奮闘中。
    実際にまちのコインを使って、ゲーム感覚で楽しめました。 

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