NHK水戸 中原一徹のお天気メモ 県北地域の災害リスクは?雨が多く河川の氾濫にも注意
- 2024年05月25日
1つの地域にスポットを当ててお伝えする「いば6が行く」。
気象予報士の中原一徹さんのお天気メモでは県北地域の災害リスクをまとめました。
県北は県内でも雨の多い地域です。
また、山によって起伏が激しいため、河川の氾濫にも警戒が必要です。
(水戸放送局 気象予報士 中原一徹)
5月31日(金) 午後7時まで NHKプラスで配信中!
県北の災害リスクは
雨の季節に入る前に、県北地域の災害の特性についてぜひ知っていただきたいと思います。
まずは、去年の9月。台風13号からの湿った空気の影響で、活発な雨雲が次々と流れ込んで、茨城県では沿岸部を中心に記録的な大雨となりました。
線状降水帯によって、猛烈な雨が降り、河川の水位が一気に上がって、北茨城市や高萩市、日立市では河川の氾濫が発生。海沿いの地域を中心に大きな被害が出ました。
アメダス 県北は雨が多い
こちらは、県内のアメダスの地点の年間の降水量の平年値です。
北茨城市の花園は1995.3ミリ、高萩市の大能で1835.5ミリ、常陸太田市の徳田で1469.4ミリ、日立市で1455.7ミリ、大子町で1451.3ミリ、北茨城市で1435.4ミリなどと上位の多くは県北地域となっています。
県北地域は、山が多く、ほかの地域よりも起伏が激しいために、雨雲が発達しやすいのが特徴です。
また、山々によって、起伏が激しい地形ということは、崖や斜面などが多くあります。
県北地域は山のすぐそばに市街地が広がっている場所が多いですから、土砂災害のリスクが高いといえます、梅雨に入る前に、崩れてしまう可能性がある斜面や崖がどこなのか身の回りの危険な場所を、今一度ハザードマップで確認しておくようにしてください。
県北地域を流れる河川のリスクは
次に、県北地域を流れる河川についてみていきます。
1級河川の久慈川、那珂川があり、そのほか多くの中小河川が流れていますが、県北地域の川の特性としては、山の斜面を流れることから、比較的流れが急な河川が多いことが特徴です。
まとまった雨が短時間で降ると、水かさが一気に増えて、短い時間で氾濫のリスクが高まることに注意が必要です。
去年氾濫した河川がある北茨城や高萩、日立などの河川は、標高が数百メートルある多賀山地から短い距離で一気に太平洋に降り注ぐ河川が多くあります。
一方で、久慈川は八溝山地を源流として、多くの河川と合流しながら、太平洋に注ぎます。
そのため、流域全体でまとまった雨が降ると、久慈川に水が集中して、急激に水位が高くなるリスクがあります。
また、川が合流する地点も、水が集まる場所になるため、水害のリスクが高い場所です。
久慈川は江戸時代から数えると、100回以上も氾濫している河川です。
次の大雨の際に、できるだけ被害を出さないために、地域の災害特性を把握しておきましょう。
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