新プロジェクトX|兵庫県・明石海峡大橋 建設秘話|40年の戦い|NHK水戸・森花子アナ 出演
- 2024年05月13日
今週の「新プロジェクトX~挑戦者たち~」は、明石海峡大橋の建設物語。潮流激しい明石海峡に世界一のつり橋を架けるという一大プロジェクトです。重さ9万トンの橋桁をつる巨大ケーブル建設や、ヘリコプターによる空中架設など、不可能と言われた橋の建設に尽力したのは、技術を磨き続けた製鉄会社の師弟や、家族の悲願を背負った現場監督でした。
(NHK水戸放送局 アナウンサー 森花子)
NHKプラスで配信中! 5月18日(土)午後8時14分まで
笑われた「夢の架け橋」
かつて白昼夢と笑われた「夢の架け橋」、明石海峡大橋。兵庫県神戸市と淡路島を結ぶ全長約4キロの巨大なつり橋です。
土木技術者から神戸市長に転じた故・原口忠次郎さんが、戦後復興を果たした昭和50年、「今こそ、神戸と四国を橋で結び、陸続きにすべきだ」と訴えたことから物語は始まりました。そこには、交通網の整備が遅れる四国の生活を発展させる狙いがありましたが、4キロにも及ぶ激流の明石海峡につり橋をかけるという提案は、当時、「市長は、白昼に夢でも見ているのではないか?」と一蹴されたといいます。
今回、実際に「明石海峡大橋」に足を運び、現地取材をしたことで、当時の原口市長の提案が、いかに無謀な挑戦だったのかを理解することができました。実物は、想像以上の長さと美しさ。当時、ケーブル架設の現場監督を担当していた古田富保さんは、スタジオ収録で「形の整った橋、プロポーションが自慢なんです」と話をされていましたが、まさにその言葉通りでした。
いざ、橋の主塔の頂上へ
今回、私たちも主塔の頂上へ登らせてもらいました。地上約300m、主塔の頂上からの景色がこちらです。空も飛行機も近く感じ、晴れた日には四国まで見えるそうです。
この巨大なつり橋を支えているのが、合計7万4千本のワイヤーです。総重量9万トンもの橋桁をつり下げる「命綱」。メインケーブルの直径は約1m、上から見ると道のようになっています。当時、つり橋後進国・日本が挑んだ“世界一”のつり橋は、技術者たちの知恵と工夫の結晶でした。
原口忠次郎が市議会で発した言葉が残されています。
「人生すべからく夢なくしては叶いません」
この一言から受け継がれた“夢”は、のべ210万人が関わり、40年という時を経て形になった矜持の塊でした。
新プロジェクトX~挑戦者たち~
「世界最長 悲願のつり橋に挑む 〜明石海峡大橋 40年の闘い〜」
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5月18日(土)午後8時14分まで