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茨城の花粉 飛散量 2024年多い?いつまで?子供は?対処法も

  • 2024年03月05日

茨城県内では花粉の飛散が本格化。2024年は3月下旬までピークが続く見通しです。最近では大人だけでなく子どもでも花粉症の症状が増えています。対処法を取材しました。
(水戸放送局 記者 戸叶直宏)

NHKプラスで配信 3/12(火) 午後7:00 まで

花粉症のピーク3月下旬まで

日本気象協会によりますと、水戸市ではことし、例年より早い2月13日から花粉が飛び始めて、茨城県内の飛散のピークは、3月下旬まで続く見通しだということです。

飛散の量は例年並みだということです。

水戸市の医院「患者が1.5倍」

3月上旬、水戸市の「新井耳鼻咽喉科医院」を取材に訪れました。

この医院では2月、例年の1.5倍の花粉症患者が訪れ、いつもより発症時期が早い人や、初めて受診した人が目立ったということです。

取材した日も、鼻水や目のかゆみなど花粉症の症状に悩む若者や高齢者が次々に訪れ、医師から診察を受けていました。

去年、東北から水戸市に引っ越してきた23歳の会社員の男性は、「初めて花粉症の診察を受けました。会社で周りに迷惑なほど、くしゃみをしてしまうので薬で治したいです」と話していました。

コロナ落ち着き外出も

県耳鼻咽喉科医会の会長でもある新井雅之 医師は、スギ花粉の飛散がここ数年、少なかった中で、去年は飛散が多かったことで許容量を超えた人が多かったとみています。

新井雅之 医師

また、新型コロナの感染が落ち着きマスクを外して、外出するようになったことからも花粉症患者の増加につながっているのではないかと指摘しています。

子どもの花粉症患者も増加

一方、花粉症に悩んでいるのは大人だけではありません。

製薬会社の「ロート製薬」が0歳から16歳までの子どもの保護者に調査をしました。

「ロート製薬」の調査

それによりますと、
▼「花粉症の診断を受けている」は21.8%、
▼「花粉症だと思う」は20.8%、
あわせて42%余りで花粉症の症状があると見られることが分かりました。

また、このうち小学生については花粉症や花粉症とみられる症状があったのは47%と半数近くに上っていました。

これは10年前の同様の調査から、およそ10ポイント増えていました。

子どもたちの花粉症について、新井医師はこのように指摘します。

Q子どもの花粉症の特徴は?

A新井医師
両親の片方が花粉症だと、子どもが花粉症になる率は70%くらいと言われています。両親ともに花粉症だと100%に近くなります。また、非常に低年齢化が著しいというのも特徴です。かゆみが出ますので、どうしても顔をいじります。目もこする傾向が強いですし、鼻もこすります。子どもは自分でつらいことをあまり言えないので、判断に迷うときはやっぱり1回診察を受けることをおすすめします。

Q勉強への影響は?

A新井医師
花粉症の季節と受験シーズンがほぼ一致しています。試験場が換気のために開放されてることがよくあるので、そういう時期にあるお子さんは、前もっての対策を常にとっておくことは大事です。大人でも生産能力が花粉症によって削がれることはわかっているので、重症化させないことは、非常に大事です。

Q子どもの花粉症への対処法は?

A新井医師
アレルギーというのは若い人、子どもほど強く出るものです。そのため、薬の効きが子どもは今一つ良くなくなります。また、子どもの場合、選べる薬剤の幅が大人よりずっと少なくなります。錠剤が飲めないと、粉末かシロップかとなり、簡単にはいきません。
両親が花粉症だと子どもも花粉症になりやすいという話をしましたが、今後、爆発的に子どもの花粉症が増えてくると思います。子ども向けには「舌下免疫療法」という治療法であれば、薬をべろの下に1日1回入れるだけで済むので、ある程度の年齢なら子どもでも可能です。根本から解決していくことが必要かもしれません。

花粉症対策3つのポイント

最後に新井医師に花粉症治療で知ってほしい3つのポイントを聞きました。

①「正しい理解」

花粉をできる限り体内に入れないことです。

・飛散シーズンはなるべく外出を避ける。
・外出時はマスク・メガネなどの防御する。
・帰宅時は上着を部屋に持ち込まないようにする。

②「早めに薬を」
・花粉が本格的に飛び始める頃、または症状が少しでも現れた時点から薬を飲み始む。
・症状がひどくなってから薬を飲んでも高い効果は期待できない。

③「いつか治る…ことはない?」

・治療をせずに治る人は1割ほどで、治る場合でもかなり年数がかかるという最新の研究がある。

 

花粉症に悩む方、お子さんにそれらしい症状が出ていた場合も含めて、ぜひ医師に症状を相談し、快適な日常を送って下さい。

(NHKプラスの配信終了後はこちらも)

  • 戸叶直宏(記者)

    水戸放送局

    戸叶直宏(記者)

    栃木県栃木市岩舟町出身。2010年入局。
    福岡→横浜→首都圏→社会部(文部科学省など教育担当)→週末に家族に会うため水戸に異動してきました。

    幼稚園の頃は花粉症とわからず、何週間も休んでいました。子ども2人にも遺伝して、この時期は家族で花粉症に苦しんでいます。

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