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茨城・城里 部活動 専用のバス 中学校維持のため導入へ

茨城 部活動と子どもたち
  • 2024年03月01日

「このままでは中学校が維持できない…」部活動を理由に学区変更が相次ぎ、小規模な中学校の生徒が更に減ってしまう事態。
城里町は茨城県内では珍しい「部活バス」で歯止めをかけようとしています。
(NHK水戸放送局 記者 戸叶直宏)

町内には2つの公立中学校

水戸市に隣接する城里町。

町内には公立中学校が2校あります。

このうち全校生徒が80人ほどの桂中学校で部活動は5つ。

桂中学校
桂中 部活動の様子

一方、280人余りと規模の大きな常北中学校は野球部や剣道部など9つあります。

希望する部活なく 学区変更のケースも

町の通学区域に関する規則では学校に希望する部活動が無く、顕著なスポーツ成績がある場合は本人の希望で学区外の学校に変更できるとしています。

桂中学校の学区の子どもは希望する部活動をするためにR5年度は3人、R4度は4人などと学区を変更して入学するケースが相次いでいます。

こちらは10年間の生徒数の推移のグラフです。

現時点の予定で令和6年度は、10年間で常北中で30%あまり減少します。
一方で、桂中では50%近くの減少になっています。

  平成27 28 令和5 6
桂中 156 151 81 81
常北中 396 383 286 271

(城里町教育委員会の資料より 令和6年度は2月22日時点での予定)

ルール変更 部活バス導入へ

このため町は、桂中学校の生徒数を維持するため、ことし4月から桂中学校で授業を受けたあと常北中学校の部活動に参加できるようルールを変更することにしました。

さらに、学校間を移動するためのバスを導入する方針で、新年度・令和6年度の予算案に490万円を盛り込みました。

常北中 野球部の様子

県によりますと、部活動のためにバスを導入するのは県内では珍しいということです。

常北中の生徒たちは学校を越えて部活動をすることに期待を寄せていました。

常北中の生徒

城里町 添田智 教育長
このままでは部活動を理由に桂中学校に通う生徒がさらに減り、少子化も進んでいるので維持できなくなってしまう。子どもたちのニーズにできるだけ応えたい。

少子化に加えて、部活動の地域移行、教員の働き方改革など、学校をめぐる環境は大きく変わりつつあります。茨城県内の現状や課題を探っていきたいと思います。

  • 戸叶直宏(記者)

    水戸放送局

    戸叶直宏(記者)

    栃木県栃木市岩舟町出身。2010年入局。
    福岡→横浜→首都圏→社会部(文部科学省など教育担当)→週末に家族に会うため水戸に異動してきました。

    部活動が学校生活で大きなウエイトを占めるようになった歴史から、少子化や教員の働き方改革の現状にどう向き合うかまで徹底的に取材します。
    小中高と筋金入りのサッカー部。

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