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東京回帰で2023年は人口流出?茨城県・水戸は そしてつくばは

専門家に茨城県がどうすべきか聞きました!
  • 2024年02月01日

茨城県では、去年1年間、ほかの都道府県などに転出した人の数が転入した人の数を上回り、3年ぶりに転出超過となりました。一体なぜ?専門家にも取材しました。
(NHK水戸放送局 記者 安永龍平)

総務省は、住民基本台帳に基づいて外国人を含む去年1年間の自治体の人口の動きをまとめました。
それによりますと茨城県は、転出した人の数が10万4988人、転入した人の数が10万3125人で、転出が転入を1863人上回る転出超過となりました。
転出超過となったのは、2020年以来3年ぶりです。

 

一方、県内では県南を中心に16の市町村で転入超過となりました。
このうち、最も転入超過の数が多かったのがつくば市で、2094人と全国の市町村のなかでも14番目の多さでした。
県内44市町村の動きを多い順に並べました。

 

 

 

 

 

 

また、つくば市の0歳から14歳までの若い世代の転入超過の数は535人と、全国の市町村別でさいたま市や東京・町田市、神奈川県茅ヶ崎市に次いで全国4番目に多くなってます。

 

つくば市は「TX沿線が居住地として選ばれていることが、増加の要因なのではと考えている。引き続き選ばれるまちになれるよう施策を展開していきたい」と話しています。

このほか、県内の市町村を転入超過の多い順で見ると、土浦市で894人、阿見町で536人、つくばみらい市で419人などとなっています。
一方で、県北地域や県央地域を中心とする28の市町村で転出超過となりました。

茨城県計画推進課は「ことしは全国的に東京回帰の傾向が強く出ていて、東京圏への人口の流入が増えたことが大きく影響したと感じている。いま進めているさまざまな人口減少対策をさらに推進していきたい」と話しています。

専門家「東京への人口流出、若者や女性活躍の環境作り遅れ」

都市計画やまちづくりに詳しい
筑波大学
大澤義明教授

都市計画やまちづくりに詳しい筑波大学の大澤義明教授は、茨城県が転出超過となった要因について、「2つあると考えている。1つ目は東京での人手不足で茨城から東京への人口流出が起きているということと、2つ目は若者や女性が活躍できる環境作りが遅れているからだと考えられる」と分析しました。
また、「医療や教育など子育て環境に優れたTX沿線で人口流入が起きている一方、人口減少が進んでいるところはより加速化している」と指摘しました。
そのうえで、「今後、地域間格差はより拡大していくと考えている。市場メカニズムの働いている世界なので人口移動は必然的に起き、それを前提としたそれぞれの地域性を生かしたまちづくりが大事だ。また、茨城県は山や海など自然環境に恵まれている温暖な気候で、東京への近接性もあり、こういう特徴を生かしながら県全体でアピールしていくことが大事だと思う」と指摘しました。

  • 安永 龍平

    水戸局 記者

    安永 龍平

    初任地は福岡県北九州市
    県政と経済を担当

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