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就活生のギモン「地元就職?県外就職?先輩たちの決断は?」

熊本に就職するか、県外に就職するか・・・。若手社会人たちの決断は?
  • 2024年04月10日

 

2月に「はっけんラジオSP from熊本 就活応援ラジオ」を放送しました。
番組では「地元就職か県外就職か」「転勤の有り無し」など「働く場所」についての疑問や悩みが多く寄せられました。
関連のトークをピックアップしてお伝えします。
就活生の疑問や悩みに答えてくれたのは、平田機工の坂本安里紗さん(熊本県出身・入社4年目)、熊本県商工政策課の木場愛海里さん(熊本県出身・1年目)、肥後銀行の角陸永さん(大分県出身・2年目)、そしてマイナビ編集長の高橋誠人さんです。
果たして、先輩社会人の考えは?
(2月25日に放送の「はっけんラジオSP from熊本 就活応援ラジオ」より作成 肩書などは当時)

「エリアこだわりなく就活をしている。就活の軸の決め方は?」

佐藤アナ

熊本市の大学3年生からの質問です。
「業種やエリアこだわりなく就活をしているが、まだまだ絞れていない。どう見つければいいのか」
ほかにも「就活の軸の決め方が分からない」といったメッセージがありました。

佐藤アナ

県職員の木場さんは、この質問に対してはいかがでしょうか?

県庁
木場さん

私は熊本に就職するという、この「地域」を軸にして就職活動を行っていました。
就職活動を行う中でしっかりと自分と向き合っていくことが大切だと思います。
自分が仕事をしていきながら、どのような場面で自分の強みを生かすことができるか。
または、もし大変なことがあった時にどうやってそれに立ち向かうか。例えば、私より社会人経験の長い家族にすぐ相談できることとか、私の良い所も悪い所も知っている友人が近くにいれば力強いなぁなどを考えながら、熊本に就職することを決めました。

佐藤アナ

平田機工の坂本さんはどうでしょうか?

平田機工
坂本さん

私も最初は自分の中で軸が決まっていなかったんですけど、逆に私はやりたいことじゃなくて「やりたくないこと」など、「これは違うな」っていうのを消していって、最後に残ったものを軸にしたという形になります。
仕事は人生を充実させるための道具、ツールかなと思っています。いま勤めてる企業にはある程度長く勤めたいなとは考えているんですけど、じゃあ自分のやりたいことをする上で絶対に譲れない条件は何かっていうのを考えて、就活の時に基準を作りました。
私の場合は土日祝日休み、それから転勤があまりないこと。そして私はあんまり営業が得意じゃないなと思っていたので営業職じゃないというところを、そういったところを中心に会社を選んでいきました。

佐藤アナ

大分出身で熊本で就職した角さんはどうですか?

肥後銀行
角さん

自分が感じたこと、経験したことの2つを軸にしていました。大学は経済学部だったので、地域経済に貢献できることを1つしたいなっていうのがあったのと、あとは九州内で働くのを軸に考えていました。ちょっと暗い話になるかもしれないんですけど、大学の時に、祖父母が亡くなったりしまして、そこからちょっと家族の近くにいる方が、今後の自分の人生としてはいいんじゃないのかなってそういう風に思ってですね。この2つの軸で進めてました。
プライベートの面も考えた上で、仕事だけじゃなくて、どう生きていきたいかみたいなことも考えてました。

佐藤アナ

寳亀さんどうですか?

就活生
寳亀さん

そうですね。先ほどお話の中で苦手なこととか嫌いなところから絞っていくっていう方法は自分の中になかったのでこれから実践してみたいなと思いました。

佐藤アナ

マイナビ編集長の高橋さんは補足などありますか?

マイナビ
高橋さん

ちょっと違ったアドバイスをするとですね。
自分の軸が見つからないという相談って毎年多いんですけど、軸を決めなきゃ就活できないわけじゃないです。
自分が好きなこととか興味があることとか。地域やエリアとかで言えば、じゃあ自分がどこで仕事や生活をしているのか。就職後の25歳や30歳ぐらいの自分が充実した社会人生活を過ごしてる場所が、熊本なのか福岡なのか大阪なのか東京なのか、想像してみるといいと思います。僕の意見としては、軸っていうのをバチッと決めなくて、もうちょっと緩くてもいいですね。そのかわりにインプットの情報が多いと、やっぱり熊本だなとか、熊本じゃなくてもいいのかなみたいなことがやっぱり見えてきます。また、そこにあんまりこだわりすぎて前に進めないっていうのはどうかなっていうところも1つあるかなと思います。

佐藤アナ

他の人の軸と自分の軸が違うからと言っても、不安に思う必要もないですし、定まっていなくてもできることは十分あるということですね。

2024年2月放送「はっけんラジオSP from熊本 就活応援ラジオ」肩書などは当時

「生まれてから就職までずっと地元で不安。熊本で働く魅力は?」

佐藤アナ

就活生からの質問です。この質問はスタジオにお越しの就活生・寳亀さんからのものなので寳亀さんから聞いてもらいます。

就活生
寳亀さん

私はこれまで熊本で生まれて育ってきたんですが、東京や福岡で働くことも考えています。ずっと熊本にいるので自分のキャリアのスタートを考えた時に、このまま熊本のままでいいのか、不安があります。先輩たちに地元で働く魅力を教えて頂きたいです。

佐藤アナ

坂本さん、こちらはどうでしょうか?

平田機工
坂本さん

私も東京の大学にいたので、地元に戻るか、東京などで就職するかすごく迷っていたんですけど、最終的に熊本を選んですごく良かったと今も思っています。
福岡や東京で働いていないので比較はできないんですけど、熊本で働いていても、いわゆる大手企業といわれる企業と同じような水準の企業もたくさんあると思います。私は熊本の人や食事、自然の豊かさがすごく好きで、職場の方の気遣いとかにも助けられたりしています。熊本でも十分、社会人として充実した生活を送れるんじゃないかなと思います。

佐藤アナ

県職員の木場さんはどうですか?

県庁
木場さん

私も県外の大学に行って、ご飯が美味しい、自然豊かで住みやすい、人とのつながりが心地よいなど、これまで気付かなかった熊本の良さを改めて実感しました。
そして、熊本に貢献しながら働くこと自体が、私の中では大きな魅力の1つ、就活の軸だったんですけど、まだまだ地元熊本についても知らないことがたくさんあるので、それを学んでいきながら、仕事ができるっていうことにもやりがいを感じています。

佐藤アナ

肥後銀行の角さんは、大分出身で福岡の大学に行って、いま熊本で働いています。
この質問はどうでしょうか?

肥後銀行
角さん

熊本で働く魅力はいくつかあるんですが、1つはやっぱり台湾の半導体大手TSMCの熊本進出に伴う経済発展に携われるということ。それから、熊本は環境や地下水の保全など、SDGsの取り組みも盛んだっていうのは知っていましたので、それもありますね。
さらには、熊本地震からの復興など地域全体として未来へ進んでいくような一体感という点で考えて、熊本は結構素敵なんだろうなっていう風に思っています。

佐藤アナ

ご自身の地元の魅力に改めて向き合って考えると、やっぱりこの県いい!、こんなやりがいもあるんだ!って思えることもありますよね。高橋さん何か補足はありますか?

マイナビ
高橋さん

これもやはり個人の人生プランなので、どれが正解っていうことはないんですけども、ある就活生の先輩は地元が好きだからこそあえて県外に就職をして、そこで経験を得て、その経験を持って地元に戻って地元貢献をしたというような例もあります。どうしても「やっぱり九州以外の醤油がダメ」とかだったら、いけないかもしれないですけど(笑)
やっぱり、もう今はグローバル時代なので、例えば、熊本や福岡、東京っていう3都県だけじゃなくて、もっとグローバルに考えて、その中でもなぜ熊本がいいのかっていうことが自分の中で納得できるのであれば、全然地元でもいいです。
どこがいい悪いかというような優劣の問題じゃないかなとは思いますね。

佐藤アナ

寳亀さん、どうですか?

就活生
寳亀さん 

そうですね。まだまだライフプランとして、就職活動を捉えられていない部分が大きかったなと思うので、まずはライフプランとしてこれから自分がどう生きていきたいかっていうところを考えていきたいなと思いました。ありがとうございます。

「全国転勤で苦労したことや良かったことは?」

佐藤アナ

熊本県の大学3年生ラジオネームベイベーさんからです。
「最初の頃は単純に住み慣れている地元で働きたいと考えていて1つの県に絞って活動していました。しかし、最近全国転勤がある企業で働くことも、新たな土地へ移り住む機会と前向きに捉え魅力的に感じています。全国転勤の経験があるなら、実際に働いてみて苦労したこと、良かったことを教えていただきたい」ということです。

佐藤アナ

この中で全国転勤を経験しているのは、近い状況としては大分出身で、いま熊本で働いてらっしゃる肥後銀行の角さん、この質問どうですか?

肥後銀行
角さん

苦労したと言ったら、大げさなんですけど、やっぱり初めて熊本に住むということなので、地名が分からないということ。あと、方言がよく分かっていないみたいなことが結構、最初つまずいたっていうか、大げさですけどそう思いましたね。
さっき、学生ゲストの寳亀さんとお話しさせていただいて、大学どこなんですか?って話をして「ここですよ」とおっしゃって頂いたんですが、それがどこかいまいち分かってない、そういうこともありますので、ちょっと大げさですけど、苦労したところかなとは思っています。
良かった点については、地元じゃないので、行く所が本当にすべて新しい場所毎日、毎週末が旅行感覚みたいなところはあります。生活にずっと新しい発見があり続けるっていうのはすごく魅力かなと思っております。

佐藤アナ

私も神奈川県出身で初任地が熊本なんですが、毎週本当に新しい場所に行けて、九州もすべての県を旅行に行けました。そういった意味でも、その県にも愛着が湧くし、いろんな魅力を知られて毎日が本当に楽しい、新鮮だなと思います。

佐藤アナ

マイナビ編集長の高橋さんも勤務地は色々行っていらっしゃるそうですね。
どうですか?全国転勤というのは?

マイナビ
高橋さん

それぞれの就活生の方々が、新しいこととか新しい環境で、何かをするということに対して、ストレスを感じるのであれば多分向かないと思います。ですが、先ほど、先輩方がおっしゃっていたように、新しいことを自分の中でプラスに考えられるということであれば、もう全国転勤であったりだとか。それはもう全世界とかっていうのもいいですし、私も2年間熊本に住んでいたんですけれども、甘い醤油が大好きになっちゃって、馬刺しと醤油がもう忘れられないぐらい大好きですね。
新しい文化をそれだけ気に入ることもあるということですね。

「地元から出ないと人生の幅が狭まる?地元就活のメリットは?」

佐藤アナ

続いては、「熊本から1回も出ないと人生の幅が狭まってしまわないか不安ですがどうでしょうか?」
そしてもうひとつ「県内企業の就活において、熊本県民であることのメリットはありますか?」という質問です。

佐藤アナ

高橋さん、一つ目の質問、いかがでしょうか?

マイナビ
高橋さん

人生の幅が狭まるってことはないんじゃないですかね。
その方が熊本県内で充実した人生を過ごしていけば、それは逆に言うと熊本県外では実体験としてできなかったことが、得られたっていうことですからね。
裏返しで言うと、それは人生の幅っていうのは地域では測れないじゃないかなと、僕は思いますけどもね。

佐藤アナ

県内企業の就活・就職において、地元出身者のメリットというところですが、木場さんいかがですか?

県庁
木場さん

私自身まだ入庁して1年目なので仕事の経験がまだ浅いので、よく分からないところもあるんですけど、先輩職員の方のお話を聞いてる中で、これまでの人生で「地元のここが課題だな」って感じてきたところを仕事で解決して、地元の皆さんにも感謝の言葉を言われた時に「すごくやりがいを感じた」っておっしゃってたので、地元の成長を見ながら働けるっていうのはメリットだと思います。

佐藤アナ

なるほど、就職活動の時もそういった地元の姿を見てるからこそ語れることもありそうですね。
坂本さんはどうでしょうか?

平田機工
坂本さん

メリットって言えるか分からないんですけど、やっぱり地元の企業なので、地域の近所の方が、私が勤めている会社とか、こういう企業を志望しているんですよねっていう話をすると、あそこはいい会社だよねとか、いろんな情報をくれたりとか、そういった情報収集には良かったなと思います。

佐藤アナ

人脈がある分、就活においても、色んなところから情報が入ってくるということですね。

「就職という『点』ではなく、キャリアや人生という『線』で」

佐藤アナ

最後にマイナビ編集長の高橋さんから就活生に向けてひと言メッセージをお願いしてもいいですか?

マイナビ
高橋さん

就職っていう、点だけじゃなくても、これからも長い人生ありますので、点ではなく線で、自分のキャリアとか人生を考えるというような視点で取り組んで積極的に行動していただければと思います。頑張ってください。

  • 石井隆広

    熊本放送局 アナウンサー

    石井隆広

    熊本県出身
    福井→熊本→東京→熊本
    今回、この番組を企画・制作

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