安静が大切!腱鞘炎の検査・治療法とは(注射、薬、手術)

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腱鞘炎(けんしょうえん)ばね指手・腕が痛いはれている手・腕
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腱鞘炎(けんしょうえん)の検査

腱鞘炎の検査は、まず「問診」や「触診」

医療機関ではどのような診断が行われるのでしょうか。まず、どういった場合に痛みが現れるかなど、問診を行って症状を詳しく聞きます。続いて、触診を行い、実際に痛みを感じる部分を触って検査します。例えば、手のひらの指の付け根あたりにある腱鞘を触ってみて痛みがあるかどうかなどをチェックします。

腱鞘炎(けんしょうえん)の検査

腱鞘炎の検査は、まず、「問診」「触診」を行います。
また、関節の動き・腱の腫れを直接観察する「超音波検査」もあります。最近では、炎症の程度を色で判断することもできます。超音波検査の中でも「エラストグラフィー」という組織のかたさをみる特殊な検査を行うと、軟らかいところは赤く、硬いところが青く表示されるのです。腱鞘部分が青くなっていれば、腱鞘炎が疑われます。

腱鞘炎の治療

腱鞘炎の治療
腱鞘炎の治療

腱鞘炎の治療の基本は「安静」にすることと「薬」での治療です。重症化した場合は、「手術」をすることもあります。

安静にする

腱鞘炎は手や指の使いすぎが原因なので、できるだけ患部を使わずに安静にすることが基本です。

どうしても手を使いたいとき

どうしても手を使いたいときには、優先順位をつけて、どうしても腱鞘炎のある側の手を使わざるをえないときに限って使うなどの工夫が大切です。慣れるまでは難しいかもしれませんが、他の動作は反対の手で行うことが推奨されます。
腱鞘炎のある側の手を長時間使う場合は、適度に休憩を取ることが大切です。

薬物療法

薬には、塗り薬・貼り薬・のみ薬の「痛み止め」があります。痛みが強い場合には、炎症が生じている腱鞘の中に「ステロイド薬」を直接注射します。ステロイドを打つ際には、「局所麻酔薬」も混ぜて一緒に注射します。注射から2~3週間以内に症状が改善し、注射の効果は3か月~半年ほど持続することが多くみられます。

ただし、糖尿病の方は一時的に血糖値が上がるなどの可能性があり、加えて感染にかかりやすい傾向にあるため注意が必要です。
また、あまりにも頻回にステロイド注射を行うと腱が弱って切れてしまう恐れがありますので、再発を繰り返す場合には手術が検討されます。

腱鞘の手術

局所麻酔をして、腫れて厚くなった腱鞘を切って開きます。切った腱鞘はそのままですが、ほかにも腱鞘があるので手の機能には問題ありません。所要時間は、10~20分程度です。
また、手術後の注意点として、傷口が治るまでは無理をせず、手術を行った手をあまり使いすぎないことが大切です。

どの診療科に診てもらうのが良いか

腱鞘炎が疑われる場合には、整形外科もしくは手外科を受診するのがよいでしょう。手術をされる場合には手に詳しい専門医に相談することが推奨されます。

腱鞘炎のQ&A

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この記事は以下の番組から作成しています

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    手指の痛みとしびれ「腱鞘炎」