すぐに治療できない!?
若い頃からスキーと登山が趣味だったAさん(64歳)。
10年前、ひざのけがをきっかけにエックス線検査をしたところ、両ひざの軟骨がすり減り2割程度しか残っておらず、変形性ひざ関節症と診断されました。ひざは安定性を失い痛みもひどく、階段の上り下りができないだけでなく、歩くことさえままならない状態でした。
「(最初に受診した整形外科の)先生は、もう人工関節を入れる以外にないけれども、あなたはまだ若いから待ちなさい、と私に言いました」
当時は人工関節の耐久年数が短かったため、54歳だったAさんは、70歳まで手術を待つように言われたのです。
時とともに進歩した人工関節
その後、Aさんは知人のすすめで大学病院の整形外科を受診。
ひざの痛みが特に強いときはステロイド注射を打ち、ひざに負担の少ない運動も行うことで、なんとか痛みをしのいでいました。
そして、Aさんが64歳を迎えたとき…
「(大学病院の整形外科の)先生から、もう手術をしましょう!こんな注射ばっかりしていても仕方がないから、と言われました」
10年前と比べて人工関節の耐久性が向上したため、64歳のAさんでも、人工関節の手術をチョイスすることができるようになったのです。
正確で安全性の高いロボット支援手術
Aさんが受けた手術は、ひざの骨と軟骨を削り取り、関節ごと人工のものに置き換えるという「人工関節全置換術」。ロボットのナビゲーションを受けながら行う、最新の「ロボット支援手術」です。
骨を削る場所や量を0.5ミリ単位で精密に調整できるため、本人の元々の脚の形をほぼ再現することができるようになりました。手術後の歩行に違和感が少なく、より自然に歩けるようになるといわれています。
さらに、手術中に血管や神経、じん帯などを傷つけるリスクも大幅に下がったのです。
4か月でゴルフができるまで改善!
Aさんは最初に左ひざの手術を行い、3週間で無事退院しました。
1か月後には、右ひざの手術も同様に受け、手術から4か月で、ひざの痛みや動きが改善しました。
「ひざがぜんぜん楽で、救われた思いです。しっかり歩くこともできるし、楽しみだったゴルフもできるので、残りの人生を有意義に暮らせるかなと思っています」