鹿児島市の県道が車線減少で渋滞悪化 背景にはあの動物が…
- 2023年07月06日
県道の鹿児島吉田線について、以前、謎の一時停止(詳しくはこちら)で渋滞が発生しているということについて特集しました。そして再び、鹿児島吉田線で新たに1車線になる区間があり、渋滞がひどくなっているということについて、調査依頼が寄せられました。どうなっているのか、取材しました。
(鹿児島局 柳沢直己)
斜面からの落石
現在、県道鹿児島吉田線のすぐ横の斜面では工事が行われています。
そして、近くに設置された看板には、「落石」の文字が目立ちます。
県によると、3月初めから、道路脇の斜面からの落石が数回確認されたため、対策の工事を行っているということです。しかし、どうして落石が相次いだのでしょうか。
背景には あの動物が・・・
背景には、なんとある動物の存在がありました。
それは、イノシシです。
ことし4月には、鹿児島市の住宅地でも、その姿が目撃されています。
イノシシには、地中からエサを探す習性があります。県が4月に撮影した写真では、イノシシが斜面に掘り起こした穴が複数確認できました。
そこから、落石が発生したというのです。通行規制は、この穴をふさぐ工事の影響で、行われているものでした。
工事の早期完了を望む声も
もともと交通量が多く、謎の一時停止の影響で、朝はたいへんな渋滞が発生していたこの道。イノシシの影響で、さらに渋滞がひどくなっているのです。
こうした状況に、よくこの場所を散歩しているという人は。
僕が速いか車が速いかいつも比べている。工事はものすごく遅いね、こんなに渋滞なのに。車でここを通る人は8時半から仕事が始まると思うんだけど、みんな大変だよね。
現場ではほかにも「規制が始まってから、より渋滞しやすくなったように感じる。早く工事が終わって欲しい」といった声も聞かれました。
設定されている工期は12月7日まで。県によると、進み具合によっては工期が短くなることもあるということでしたが、イノシシによる影響は、この先も続きそうです。
道路にまつわるこんな調査依頼も
道路にまつわる調査依頼は、ほかにも寄せられています。
▽なぜ鹿児島は、自転車用道路の状況が悪いのか。
2年前、鹿児島市の市道で自転車に乗っていた高校生が路線バスにはねられて死亡した事故がありました。自治体は、現場で根本的な対策を行っていないのではないか。また、県内では自転車専用レーンの整備が遅れていて、自転車でいったいどこを走ればいいのか、という投稿です。
▽横断歩道の白線が消えている。
学校の周辺も含めて、横断歩道の白線が消えている。予算の問題?鹿児島ならではの「灰」が絡んでいる?という投稿です。
そして、これまでには、こんな道路にまつわる調査依頼に答えてきました!
▽県道16号線と国道10号線が合流する箇所で、県道16号線側が一時停止になっている件について調査してほしい。そもそも、一時停止の必要があるのか。(詳しくはこちら)
一時停止の理由は、合流地点から70メートルほど先に「バス停があり安全確保が必要だから」というものでした。このバス停については、県議が解決策を提案したことがありましたが、あるバス会社の反対で立ち消えたといいます。
▽2車線とも右折レーンで、進行方向が3車線になっていた場合、(中略)3車線のうちどの車線に入るように進めばよいのでしょうか。(詳しくはこちら)
たとえば、鹿児島市南郡元町の「産業道路入口交差点」。実際に取材中、右折しようとした車同士が接触しようになる場面がありました。
道路の交通を管理している警察に聞いたところ「決まりはありません」という回答でした。一方で、ロードサービスなどを行っているJAFは、①スピードを出しすぎずに、②車間距離をとるとともに、③周りのドライバーへの思いやりを持ってほしいと呼びかけています。(詳しくはこちら)
調査依頼を募集します!
NHK鹿児島放送局には、たくさんの道路に関する疑問が届いています。いただいた依頼は、記者が「かごしま調査団」として随時取材し、回答していきます。引き続き、ホームページからどんどん調査依頼をお寄せください。