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鹿児島の渋滞は朝が深刻?日本道路交通情報センターが分析!

  • 2022年09月29日

渋滞の解消が課題となっている鹿児島で新たな動きがありました。
9月28日、道路情報を収集している「日本道路交通情報センター」が鹿児島の渋滞について分析し、鹿児島国道事務所の担当者などと意見交換を行ったのです。
なぜこの団体が鹿児島の渋滞について意見交換することになったのでしょうか?そして報告された意外な傾向とは?

(鹿児島局記者 熊谷直哉)

始まりは1本の電話から

9月のある日、鹿児島放送局で勤務していた私のもとに1本の電話がありました。
「日本道路交通情報センター」のデジタル事業推進部杉田部長から、私の”ある記事”について問い合わせことがあるとのことでした。

「日本道路交通情報センター」とは、全国の道路情報を収集している公益財団法人で、道路に設置した車両感知器のデータをもとに全国の道路の渋滞情報を収集し、カーナビなどに提供しています。ラジオなどで「○○道路は○キロ渋滞しています」というアナウンスを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

「『日本道路交通情報センター』からどんな問い合わせだろう?」
私はそう思いながら、電話を取ると「全国最悪?!鹿児島市の道路渋滞に”時差通勤のススメ”」
この記事についての問い合わせでした。

杉田部長

渋滞についてのニュース記事を読んでいるなかで、この記事が目につきました。鹿児島の渋滞が日本一という記載がありますが、そんなに深刻なのでしょうか?

記者

このニュースを放送したときには、SNSで反響が大きく、鹿児島の渋滞に対する不満が多く寄せられました。

杉田部長

それは問題ですね。日本道路交通情報センターは渋滞の情報を収集しているので分析して、鹿児島国道事務所に報告したいと思います。

そして9月28日、鹿児島国道事務所や県の担当者などが集まった意見交換会で分析結果を報告するこことになり、さっそく取材に行ってきました。

 鹿児島の渋滞”夕方より朝のほうが深刻”

その報告によると、鹿児島には他県と異なる特徴があり、夕方よりも朝の通勤時間の渋滞が深刻なことがわかったということです。多くの他の県では、夕方は「仕事場から家に帰る車」と「一度家に帰ってからもう一度出かける車」が合わさることで朝よりも渋滞が起こりやすい傾向にあるということですが、鹿児島では通勤ラッシュの時間帯が渋滞のピークだというのです。

また、渋滞が起きやすい場所のひとつとして知られる鹿児島駅周辺の車がどこから来たか調べたところ、鹿児島市吉野方面などより姶良市・霧島市方面が多く、およそ3分の1を占めていたということです。

この結果を受けて意見交換会では
ことし2月から始めている時差出勤キャンペーンの継続
市街地の周辺で車から公共交通機関に乗り換える「パークアンドバスライド」
に取り組むことが効果的ではないかという助言がありました。

一方、国道事務所の担当者からは、半年以上時差出勤キャンペーンを実施した結果、「出勤時間を後にずらすのは業務的に難しい」との声があがっていることが紹介されるなど、今後の効果的な施策について活発な意見交換が交わされていました。

杉田部長

鹿児島の国道はいつ渋滞してもおかしくない状態になっています。緊急に対策を打つ必要があると思うので、協力していきたいです。

取材を終えて

鹿児島で最も関心の高い社会問題のひとつとも言える「渋滞問題」。
ふだん鹿児島で生活し、車に乗っていても一朝一夕で解決できる問題ではないと感じます。
今回の試みのように、新しい視点も取り入れていくことで、すこしでも鹿児島の社会が過ごしやすい方向に向かっていけばいいと思います。
今後も交通問題についての取材を続けますので、ぜひこちらまで情報をお寄せください!

  • 熊谷直哉

    NHK鹿児島放送局 記者

    熊谷直哉

    2020年入局 京都府出身 事件事故や経済を担当 営業部門を経て2月から記者に

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