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バスケットボールW杯 ボールに込めた広島の企業の思い

推しは富永啓生選手の前川夏生キャスターが取材
  • 2023年09月21日

バスケワールドカップで男子日本代表はオリンピック出場を決めるなど熱い試合を見せてくれました。私も今大会で富永啓生選手のスリーポイントのとりこに。富永選手の手から放たれるシュート・・・の先で、“あること”に気が付きました。ワールドカップで使われているボールに広島の企業の名前が入っています。今大会オリジナルのデザインなども施されているということで、製作した企業を訪ねてきました。

(NHK広島放送局キャスター 前川夏生)

訪ねたのは広島市西区に本社を構える「モルテン」。
スポーツ用品をはじめ自動車部品や介護用品なども製造しています。

サッカーボールやハンドボールなどいろいろボールが並んでいます。バスケットボールもありました。1958年からつくり始めたバスケットボールは、オリンピックやワールドカップなど数々の大会で公式試合球に採用されました。

広報の中森真太郎さんです。

中森さん
(日本代表の試合を)見ましたね、会社に社員が集まってみんなで応援しました。

さっそく今大会のボールのデザインを見せてもらいました。

中森さん
バスケットボールの情熱を鼓動、心臓の音に例えてその波が広がって行く、広がりを表しています。

さらに機能面では、表面の凹凸「シボ」の形状を変えることでグリップ性能を高めたといいます。

中森さん
シボの部分を大きく平べったくし、指とボールの接地する面積を増やす事によってグリップ性能を高める。一方では皮そのものが水を吸う、バスケットボールでいう水って汗ですよね、汗をよく吸ってグリップ性能を良くする。いい状態を長くゲームの時間保つことができる。

続いて案内してもらったのは会社の中にある工作室。アイデアを考えついた時に試作品をつくる部屋です。

中森さん
ここで1度つくると、試験室が後ろに見えるんですけども、ちょっと中までお見せできないんですけども、試験室でいろんな試験、リバウンドの特性だとか、ボールの硬さはどうなのかとか、競技ごとに求められる仕様を満たしてるのかという試験を行っています。

改良を重ね、世界で通用するボールをつくり上げたといいます。

中森さん
ドリブルを練習通りしてるのにボールがちゃんと弾まなかったりとか、ちゃんとシュートを打っているのにボールがちゃんと飛ばなかったりだとか、そういう製品はわれわれはよしとしない。100%の実力が発揮できる、実力対実力の勝負をするための道具をわれわれは提供するというものづくりをやっています。

ボールの使い心地を、施設内にあるコートで確認させてもらいました。

ボールのグリップ性がいいです
入った!

中森さん
今後1人でも多くの人がバスケットボールをやってみたいなって思ったり、バスケットボールを今度見に行こうって思ったり、いろんな形でバスケットボールに携わることってできると思うんで、そういったバスケットボールファミリーが増えていけばいいなって、すごく思います。

決勝戦では、少しデザインを変えた「決勝戦専用のボール」が使われました。「THE FINAL 2023年9月10日 MANILA」決勝の日にちと場所が焼き印で記されています。世界に提供される広島のボールは、バスケへの情熱と選手に100%の実力を発揮してほしいという思いが込められていました。

  • 前川夏生

    広島放送局 キャスター

    前川夏生

    東京・足立区出身。「お好みワイドひろしま」のキャスターを務める
    今回のバスケW杯で富永啓生選手の虜になる

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