冬の福井 人気のサワラ料理 刺身からフレンチまで味わい尽くしました!
- 2023年12月21日
福井県には大小あわせて72の漁港があり、一年を通してさまざまな海の幸を楽しむことができます。その中で、いま旬を迎えているのが“サワラ”です。秋から冬にかけて脂がのり、上品な旨味を楽しむことができます。県内有数のサワラの産地、南越前町にある河野漁港を俳優の敦士さんが訪れました。
漁港だからこそ味わえる“刺身”
今回訪ねたのは南越前町にある河野漁港です。ここでは定置網漁が盛んに行われています。
実は福井県はおととしまで9年連続でサワラの漁獲量が日本一。河野漁港は県内有数の水揚げを誇ります。
サワラは水揚げしてから傷むのが早い魚です。そこで、この港ではサワラの価値をさらに高めるため、注文に応じて船の上で「神経締め」を行っています。このひと手間で、鮮度抜群のままお客さんに届けることができるんです。
新鮮なサワラを刺身で味わえるのは、地元ならではの楽しみです。
予約殺到!サワラのフルコース
このサワラを特別な料理で食べさせてくれる人たちがいます。 地元の「食」を探求する「炊(かしき)の会」の5人です。メンバーは魚の卸業者に、網元の漁師さん、民宿の若旦那、フレンチのシェフ、そして喫茶店のマスターと精鋭ぞろい。7年前、地元の食材を最高の形で味わってほしいと集結しました。
提供するのは、旬の地元食材をふんだんに使った創作料理のフルコースです。1年に数回の完全予約制ですが、大人気でなかなか予約がとれないんだそうです。
炊の会では、地元の魚が皿にのった料理になるまでに、どんなプロセスで調理されるのかを知ってほしいと魚の解体ショーも行っています。
メンバーの食材への思いが宿った、サワラの刺身です。ほのかに甘い紅花入りの塩をつけて食べるのがオススメだといいます。敦士さん、さばいたばかりの刺身をその場でいただきました。
塩も香るし、魚も香るからすごい芳醇(ほうじゅん)。もちもちで香る魚ですね。(塩をつけるのが)大人の食べ方。なんか(食べた自分が)上質な男になった感じがします。
“しっとりレア” サワラのコンフィ
今回、敦士さんのためにご用意いただいた料理をご覧いただきましょう。
まずは、見た目も華やかなテリーヌ。
サワラの上品なダシでいただくだし茶漬け。
メインは、サワラのコンフィです。コンフィとは、調味液に浸して味や香りをつけた食材を低温の油で長時間煮るフランスの調理法です。ローズマリーやにんにくで香りづけしたサワラを、50度の油で2時間加熱しました。“しっとりレア“という不思議な食感が生まれるといいます。
本当だ、弾力がすごい。お肉切ってるみたいです。コンフィうまい~!同じサワラですか?不思議です。
「触った感じは生だけど、火は入ってる」って感じを楽しんでほしいと思います。
河野においしいものありですね。ごちそうさまでした。
10代20代に漁師が人気 そのワケは
サワラでにぎわう河野ですが、集落の定置網漁では今、若い漁師が数多く活躍しています。ここ数年で10代、20代の漁師が5人も増えたそうです。大平果歩さんもその一人。滋賀県から移住してことし2年目の漁師です。
午前3時半に港を出発、10分ほどで仕掛けに到着すると、大平さんは16人の同僚たちと力を合わせて網をあげ、テキパキと作業を進めていきます。
この日はサワラを中心に4トンの水揚げがありました。
大平さんがこの仕事を選んだのは、海釣りにハマったことがきっかけでした。漁師になった今も、仕事が終われば大好きな釣りへ出かけるそうです。若い漁師が増えている理由の1つが、早朝の仕事が終われば日中は自由に過ごせることです。
新たに漁師になる人には、漁協が格安で住居を提供してくれます。大平さんも、この働き方や河野での暮らしが気に入っているといいます。
いいところです。人は優しいし自然豊かで最高です。いまの環境に恵まれすぎている感じがします。
若い漁師の活躍とサワラを愛する人々で活気づく冬の南越前町河野地区。この時期ならではの味を求めて、みなさんも足を延ばしてみてはいかがでしょうか?