福井 農業体験で世代超えた交流を 美浜町久々子地区で落花生掘り
- 2023年12月19日
大きな湖のほとりにあり、ボートが盛んな福井県美浜町。町の北西部に位置する久々子(くぐし)地区では、農業を通じて地区の内外、そして世代を超えた交流が生まれています。各務朱音キャスター(かかむ あかね)が、落花生の収穫にお邪魔しました。
町の恒例行事「美浜町民レガッタ」
福井県美浜町の北西部に位置し、山に囲まれたのどかな集落、久々子地区。この地区の宝、ゆったりと広がる久々子湖では、ボートが盛んです。毎年秋に行われるボートレース「美浜町民レガッタ」が有名で、コロナ禍では参加者を制限していましたが、今年は4年ぶりに例年並みの規模で開催されました。県内外から140あまりのチームが集い、500mの距離を漕いで速さを競いました。
学生たちに農業体験を
この久々子地区で、農業を通じて世代を超えた交流が生まれていると聞いて、地区内にある畑にやってきました。
出会ったのは、「久々子楽農クラブ」の皆さんです。60代~80代のメンバー22人が週に2回ほど集まって、さつまいもや大根などを作っています。収穫した野菜を福祉施設に届けたり、地域の子どもたちを招いた「収穫祭」を行ったりと精力的に活動しています。
久々子楽農クラブ事務局 田辺義郎さん
高齢化社会とか言いながら、みんな集まってわいわいがやがやとやるような機会も少ないですし、生きがいですね、そういったものを作りたいなということでこの活動が始まりました。
中でも力をいれているのが「学生の農業体験」です。4年前から、地元の子どもたちや県外の学生を招いて野菜の収穫体験を行っています。農業を通じて、若い世代に食のありがたみを感じてもらいたいと考えています。
都会から来る学生さんもいて、土に触れるということも少ないし農業ってどういう感じでやるのかなということも知らない子どもさんもいると聞いたので、土を触ってこういう作物ができるっていうことを知ってもらいたいなと。
落花生の収穫を体験!
この日はあいにく雨が降ったりやんだりの天気でしたが、私も農業体験をさせていただきました。今回収穫するのは落花生です。お酒のおつまみにしたい!と作り始めたんだそうです。
スコップを株の根元深くに繰り返し刺して、株を掘り起こして収穫します。
ググッと横にねじる!ちょっと浮かせてもう1回!どんどん深みにはまっていくような感じで。
深く刺さって…土が盛り上がってきました!
両手でかかえるのがやっとなほど大きな株の落花生!みなさんのおかげでなんとか収穫できました。
さっそく落花生をゆでていただくことに。殻つきのまま30分ほど茹でます。塩はさじ加減だそうです。
ゆでたての落花生はぎっしり実が詰まっていて、光り輝いています。さっそくいただきます。
意外と食感は柔らかくて、ホクホクして甘みがあります。おいしい!
皆さん、自分たちで採った野菜を食べながら、次の収穫の話など、会話が弾みます。農業を通じて、人と人との交流が育まれていました。
久々子楽農クラブ会長 繁田清幸さん
種を植えて芽が出て植物が大きく育つと、例えば1か月後に来て「おお、おめえ大きくなったな」と思わず声が出ますね。そういう楽しみと、農業を通じての世代間交流、それがまた地域の活力を生みますね。
楽農クラブの皆さんは今後、農業体験で植え付けから収穫まで一連の過程を体験してもらいたいと考えています。より農業や食への魅力を感じてもらい、若い世代と交流することでいきいきと活動したい!と意気込んでいました。
★ほやほやみつけ隊とは★
「ニュースザウルスふくい」の名物コーナー。福井放送局のキャスターが、緑のはっぴを着た「みつけ隊員」として県内を地区ごとに訪ね、地元の味覚やすてきな活動、そして元気な皆さんを「みつけ」ます。