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福井のグルメ「若狭牛」と「三方五湖の天然うなぎ」を食べたい!

福井ザクザク!掘らナイト 「‟実は“知らない!福井のレアな逸品」 2023年6月30日放送
  • 2023年07月14日

    福井のおいしいものと言えば、「越前がに」に「ソースカツ丼」、「焼きサバ寿司」などなど…。 でも、そんな全国区のグルメに隠れた地元でしか食べられない逸品が福井にはまだあるんです。しかも、その味わいは折り紙付き!出会えたらラッキーな福井の“超レアな食材”を取材しました。

    年間生産数600頭のレア牛肉

    福井県のブランド食材「若狭牛」は、県内で12か月以上肥育された血統が明確な黒毛和種のなかから、霜降り具合などの厳しい基準をクリアしたものだけが認められる“レア”牛肉です。網の目状の脂肪「サシ」の入った柔らかい肉質で、甘みのあるとろけるような舌触りとそれでいてさっぱりした後味が特徴です。

    若狭牛のおいしさの決め手となるサシへのこだわりは強く、全国より厳しい基準で選抜しています。牛肉の霜降りの規格である「 ビーフ・マーブリング・スタンダード(BMS/マーブリングは“サシ”のこと)」には12段階のランク付けがあり、数字が大きい程きめの細かいサシがしっかりと入っています。 多くのブランド牛で「3」以上を基準とするなか、 若狭牛はその1つ上「4」以上に基準を設定、さらに出荷される半数以上は、8以上をクリアしていています。

    若狭牛の年間生産数はおよそ600頭とおとなり岐阜県のブランド牛・飛騨牛などに比べて少なく、そのほとんどが福井県内で消費されます。 質の良い牛を育てるための技術は専門性が高く、生産者が限られているためだといいます。

    サシを育む上質なベッド

    池田町で若狭牛を育てて40年の清水 修一さんです。肥育技術は県内随一、“若狭牛職人”とも呼ばれるほど。出荷までのおよそ2年2か月、目を配り、気を配り、丁寧に育てあげます。

    きめの細かい上質なサシを生み出す清水さんの秘訣は、ストレスのかからない“環境作り”です。 床に敷くのは、クッション性に優れる「もみ殻」と吸水力がある「おがくず」をブレンドしたサラリとしたふかふかの牛用ふとんです。 これを3週間に1度、こまめに入れ替えます。手間と体力のいる仕事ですが、とにかく牛たちのリラックスが大切だといいます。清水さんが育てる牛たちの背中はまるでベルベッドのよう。毛ヅヤのよさは健康の証です。

    畜産農家 清水 修一さん
    食べて休み、食べて休みがこの子ら(牛たち)の仕事やから、肉もゆったりと(サシが)入ると思う。牛は経済動物やから、その期間を全うさせてあげるのは僕の仕事です。

     環境を整えたうえで、さらに気を配るのが『体調管理』です。 清水さんの牛舎は、牛たちがいる場所より通路を30センチ高くしています。高い視点から牛舎内を見渡すことができ、牛たちの様子がよくわかるんです。

    この日も、ある一頭の牛の変化に気がついた清水さん。

    畜産農家 清水 修一さん
    普段よりも耳が下がってる。熱計ってみようかな…38.7度。(牛の平熱なので) 今んとこなんともないけど、要注意やね。

    こうして牛の体調の変化を逃さずに対応することで、上質な若狭牛が生み出されているんです。 

    スタミナ満点 三方湖の天然うなぎ

    続いて、これからの季節にぴったりの「うなぎ」。超レアな天然うなぎを目指して向かったのは若狭町の三方湖です。薄皮で身もやわらかいというその味は、古くから評判が高く、 江戸時代、各地の名物をまとめた書物に『身が大きく、脂のりがよくおいしい』と書かれていたほどです。

    漁師 田辺喜代春さん

    三方湖でうなぎをとる漁師歴30年のベテラン、田辺喜代春さんです。三方湖は、淡水と海水が混じる汽水湖のため、うなぎのえさとなる生き物が豊富です。 田辺さんは江戸時代と変わらない伝統の漁法を続けています。

    江戸時代からの伝統漁法「筒漁」

    それが、3本の筒を縄でくくったものを湖に沈める「筒漁」(つつりょう)です。狭くて暗いところを好むうなぎ、その習性を利用した仕掛けです。
    1日かけて漁を行っても、多いときで10匹とれるかどうかだといいます。全くとれない日も少なくないとか。そんなうなぎ漁はあくまで副業、効率は決してよくありませんが、貴重な天然うなぎの乱獲を防ぐために、昔ながらの漁法を守り続けているんです。

    左:養殖うなぎ  右:三方湖の天然うなぎ

     天然のうなぎの特徴は養殖に比べて、細く長い頭です。泥を掘ってエサを探すためだといいます。

    ふわふわ!鮮度抜群の“極上うな重”

    4代目 小堀和広さん

    三方五湖の周辺にはうなぎ専門店が7軒あります。そのなかの1店、創業91年のうなぎ屋さんです。全国からこの味を求め、客がやってきます。
    「天然うなぎは特に鮮度が大事」と話すのは4代目の小堀和広さん。スピードにこだわり、注文を受けてからさばき始めます。串打ちまで仕上げる所要時間はわずか30秒ほどです。 

    このお店でも、天然うなぎは1か月入荷がないこともあるという“レアもの”。その「焼き」を担うのは、妻の郁美さんです。「さばき」と「焼き」、夫婦で分担するのが創業当時からの伝統だそうで、それぞれに技を磨きました。

    焼きを担当
    郁美さん

    天然は焼くのも難しいです。身が柔らかいと、串から外れてくるので。

    焼きは炭の置き方で火力を調節し、返すタイミングを見極めながら、じっくり進めます。タレを付けるのは仕上げの直前、皮が薄いため、焦げ付かないようにさっとあぶります。 

    こうして出来あがった極上うな重、 身はふっくら、皮のカリっとした食感が絶品です。みなさんもぜひ福井のレアな食材を味わいに、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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