福井 敦賀市の「東浦みかん」 秋は観光でフルーツ狩りも 東浦地区
- 2023年12月06日
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福井県敦賀市の北東部に位置する東浦地区の特産品「東浦みかん」。敦賀湾の海風にさらされて強くたくましく育った東浦みかんは、適度な酸っぱさとコクがあり”懐かしい味のみかん”として多くの人に愛されています。江戸時代からいまに続く“黄色の宝石”を太田実穂キャスターが取材しました。
甘酸っぱ~い「東浦みかん」
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山々に囲まれ、敦賀湾に面した東浦地区です。目の前には海、背には山へ続く急斜面という独特の地形す。
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急斜面の地形を生かして作られているのが、東浦の特産「東浦みかん」です。水はけのいい地形はミカン栽培との相性がよく、江戸時代末期から栽培が始まったといわれています。
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いい香り!酸味と甘みのバランスがちょうどよく、コクがあっておいしいです。
10月下旬から収穫が始まった東浦みかんは、海風にさらされて強くたくましく育ち、適度な酸っぱさと味の濃さが特徴です。
セカンドキャリアの“みかん農家”
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東浦みかんを栽培する、「東浦みかん特産化組合」のみなさんです。6年前から活動していて、組合員の多くが、定年を機にみかん作りに取り組みはじめました。
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もともとはどんなお仕事をされていたんですか?
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私は JR の社員です。みかんとは全く関係ないですね。
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会社勤めです。定年になって多少時間にも余裕があるし、体も元気やし、ちょっとやろうか!とやりだしたのが最初なんです。
メンバーは地区の60代から70代が中心ですが、東浦みかんに魅かれて地区外から移り住んだ人もいます。
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組合員の島田督司さん
ことし33歳です。(みかん栽培は)植物相手なのでなかなか思い通りいかんこともありますけれど、この時期になって収穫したみかん食べると、やっぱり"やっていてよかったな"と思いますね。
若手も入りにぎやかになった東浦みかん特産化組合ですが、設立の背景には「担い手不足」の問題があったといいます。
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東浦みかん特産化組合 平林慎治さん
みかん農家も高齢化で後継ぎもいないということで、どんどんなくなっていく。このままほっといてはいかん、なんとかしたいなとJAさんの勧めもあって有志を集めたんです。
耕作放棄地も利用 工夫重ねて特産に
組合では生産量を増やすために担い手がいなくなったみかん畑だけではなく、もともと田んぼだった耕作放棄地も新たに整備してきました。田んぼで栽培するため、畑作りから工夫を重ねています。
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田んぼやからと最初から掘って植えるわけにはいかなかったです。(畑の)ところどころに溝を掘ることで水はけをよくするのと、木の周りに土をやって根のはりをよくするようにしています。
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はじめて植えた苗木も丸6年が経ち、みかんの収穫が安定してきたため、ことしから本格的にみかん狩りが楽しめるようになりました。みなさん、収穫できる喜びを感じながら作業をしています。
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この味になじんでまうと他のみかんを食べてもたよりない感じで、みかんと言えば東浦みかんになりました。
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最初はならなかったり量が少なかったりしたので、大変だったんですけれど待っていてくれる人がたくさんいるので、ありがたいですね。
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東浦みかん特産化組合 組合長 片山吉治さん
ここも、もとは全部田んぼだったんですよね。そういうところをこうやって畑にして、ここ一面が全部みかん畑になればそれはすごいなと。後を継いでくれる人が来てくれればありがたいなと思っています。
歌まで誕生!子どもたちのみかん愛
東浦みかんを愛し、守っているのは生産者だけではありません。
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東浦小学校5・6年生はみかんの摘果や収穫の体験をしています。もっとたくさんの人に地元の特産を知ってもらいたいと、12月に敦賀駅で PR を行う予定です。
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そのパンフレットも児童たちがこだわって作成しています。
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東浦みかんは寒いところで育っているし、とても貴重品ということを大事に書いています。
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小さい子とかでもわかるように、文字を大きくしたり漢字にフリガナを振ったりして、わかりやすくしています。
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さらに東浦みかんを愛する児童たち、なんと歌まで作りました。
東浦みかんの歌
♪甘酸っぱくて こくあるみかん 農家さんが作ってくれた 僕ら大好き おいしいみかん♪
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児童
おいしいみかんを作ってくれている農家さんへの感謝や、このみかんがもっと有名になってくれることを願って作りました。東浦みかんがめっちゃくちゃ好きです!世界一おいしいみかんだと思っています。
地元の味覚『東浦みかん』。子どもから大人までが深~い愛で地区の宝を守り続けます。