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福井 美浜町“かっぱ伝説”から生まれた新名物《かっぱ踊り》佐田地区

2023年10月16日放送 ほやほやみつけ隊
  • 2023年11月18日

    福井県美浜町の東部、日本海をのぞむ佐田地区は、伝統行事や文化をいまに継承している地域です。そんな佐田地区でいま、ある“新名物”が注目を集めています。地元に伝わる“かっぱ伝説”から生まれた《かっぱ踊り》です。一体どんなものなのか?羽生ちひろキャスターが訪ねました。

    佐田地区の新名物 “かっぱ踊り”

    美浜町佐田地区で、1800 年もの歴史がある「織田(おりた)神社」です。毎年 5 月に行われる例大祭では、力強いみこしや悪魔ばらいの「王の舞(おのまい)」など、伝統的な行事が今も継承されています。

    そんな佐田地区では今、“妖怪”のかっぱが旋風を巻き起こしているそうです。教えてもらった場所を訪れてみると・・・。

    なにやらみどりの格好をした人たちが・・・。

    みなさん輪になって踊ってらっしゃいます。みなさんの頭の上を見てください、“かっぱ”ですね!

    地域のみなさんが踊っていたのは、『かっぱ踊り』です。この地区ではかっぱ伝説に関する、ある民話が語り継がれているんです。

    地域に伝わる《かっぱ伝説》とは?

    提供 日本財団/日本昔ばなし協会

    「かっぱの詫び証文(わびしょうもん)」
    むかしむかし、河口でおじいさんが牛を洗っていると、かっぱが牛にいたずらをしようと近づきます。

    提供 日本財団/日本昔ばなし協会

    おじやん「このやろう!」
    かっぱ「ひえ~。二度と悪させんから、命だけは取らんでくれ」
    おじ「そんなら、これから二度と悪させんと証文をかけ」

    提供 日本財団/日本昔ばなし協会

    悪さをしないことを約束したかっぱは、お礼に毎日魚を届けました。

    提供 日本財団/日本昔ばなし協会

    しかし、欲を出したおじいさん。魚がたくさんかけられる鉄のかぎにかえました。すると、鉄が苦手なかっぱは来なくなってしまいました

    これが佐田地区に伝わる民話「かっぱの詫び証文」です。

    歌から踊りまで 区民が考案

    このかっぱ伝説を地域おこしにつなげようと誕生したのが『かっぱ踊り』です。「佐田伝統文化保存会」が中心となり完成し、8月の地区の盆踊り大会で初披露しました。

    中道健三会長

    伝説を区民の皆さんに PR したいということで、歌から作曲、振り付け、これすべて区民の手作りです。

    作詞作曲を担当したのは、シンガーソングライターの向日葵(ひまわり)さんです。

    シンガーソングライター
    向日葵さん

    (妖怪やかっぱを題材にした曲は)初めてです。普段はラブソングやメッセージソングとかが多いです。実は今の曲を作るまでに別に1曲作ったんですけれど、大人目線の歌詩になっちゃって、納得いかなかったのでゴミ箱にポイと。かっぱと子どもの目線に合わさないとダメだなと思いました。

    振り付けの一つ、平泳ぎのポーズを練習中

    羽生キャスターも河童になって、踊りの師匠に弟子入りです。この振り付けを考えたのは、中野健治さん。地区の盆踊りの指南役で、コミカルな踊りもお手のもの。民話の河童を表現しつつ、誰もが踊りやすいようシンプルな動きを意識したんだそうです。

    地区に広がる“かっぱ愛”

     

    みなさんの“かっぱ愛”は子ども達にも広がっています。竹灯籠に描かれたかっぱのイラストは、地元の美浜東小学校の子どもたちが描いたものです。地区の盆踊り大会では、会場周辺を彩りました。

    佐田伝統文化保存会  中道健三会長
    まずは子どもたちからなじんでほしい。誰もが踊れるように、小学校でかっぱ踊りを児童たちに取り入れようかなと進めています。


    ほやほやみつけ隊とは★
    「ニュースザウルスふくい」の名物コーナー。福井放送局のキャスターが、緑のはっぴを着た「みつけ隊員」として県内を地区ごとに訪ね、地元の味覚やすてきな活動、そして元気な皆さんを「みつけ」ます。

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