放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

04.10.01CATV経由でのHDTV視聴可能世帯が9,000万世帯に

NCTA (全米ケーブルテレビ電気通信事業者連盟)が9月に行った調査で,ケーブルテレビでHDTVを視聴できる地域が,全米210の地域のうち177地域にまで増え,この結果,HDTV視聴可能世帯数は去年12月よりも28%増加して,9,000万世帯となった(全米のテレビ所有世帯は1億800万世帯)。 NCTAによれば,現在HDTV番組を提供するCATVネットワークの数は17で,HDTV専門チャンネル,もしくは幾つかのHDTV番組を放送している。またデジタル放送を行う放送局のうち,ケーブルテレビで再送信されている放送局の数が,2003年12月の304から50%増えて454となった。

04.10.01米マイクロソフト,ネットTVの新バージョン発表

マイクロソフトは10月5日,「MSN TV」セットトップボックス(STB)の新バージョン「MSN TV2」を発表した。これまでのSTBはテレビと電話線を接続する形のインターネットサービスだったが,新STBはブロードバンドに対応し,ストリーム配信されたビデオや音楽などを再生する機能も加えられる。年末商戦までに発売される予定で,価格は199ドル95セントに加え,月額9ドル95セントのサービス加入料が必要。インターネットをテレビで利用したい若者の獲得を狙っている。

04.10.01米FCC,下品な番組でFoxに過去最高の罰金

FCC(米連邦通信委員会)は10月12日,Foxの169の直営・加盟放送局に対し,2003年4月7日に放送した番組が下品な内容であったとして,あわせて 118万ドルの罰金を支払うよう命じた。これは,テレビ番組に課せられた罰金の額としては過去最高。今年の2月のスーパーボウルで歌手が右胸を露出させたケースでは,FCCはCBSとその系列局に対して,9月22日,55万ドルの罰金を課す決定を下している。今回,罰金の対象にされたのは『Married by America』というリアリティショーで,番組でストリッパーと登場人物が下品な行為に興じる場面などが問題になった。CBSのケースでは,直営局は1 局あたり2万7,500ドルの罰金を命じられたが,加盟局は問題の場面を予期できなかったとして罰金を課されなかった。しかし今回は,Foxの加盟局は番組のテープを事前に見て放送を拒否することができたと判断し支払いを命じている。Foxは,11月12日までに罰金支払命令を撤回するようFCCに求めることができる。

04.10.01FCC,電力線利用のインターネットサービス認可

FCCは10月14日,規則を改正して,電力線を利用してブロードバンド配信を行う技術(BPL,Broadband over Power Line)を承認した。FCCはFERC(米連邦エネルギー監督委員会)と合意の上で発表したもので,両委員会とも,インターネット網の拡大促進に役立つと期待している。日本でもPLC(高速電力線通信)の名で研究が進められており,現在45Mbpsあたりまでの早さが実験されているが,アメリカの場合, 18の州で実験が行われており,現段階の送信速度は1秒あたり1~3Mbps程度とされている。今回のFCCの決定で,全国の大手電力会社の参入が期待されるが,データ送信をした場合に生じるほかの電波への干渉が問題点となっており,普及にはまだ数年かかると見られる。

04.10.01FCC,子供向け番組でのCM放送時間超過に罰金

FCC (連邦通信委員会)は10月21日,子供向け番組で定められたCMの放送時間を超過していたとして,Viacom傘下のNickelodeonに100万ドル,Walt Disney傘下のABC Familyチャンネルに50万ドルの罰金を支払うよう命じた。規則では,子供向け番組でのCMは平日は1時間当たり12分30秒まで,週末は10分30 秒までと決まっているが,FCCの監査によって放送時間の超過が明らかになった。Nickelodeonは,2003年11月から2004年8月までの間に,145の番組で30秒スポットCMを1,021回超過放送,またABC Familyチャンネルは31の番組で超過放送を行っていた。両チャンネルは,罰金の支払いとともに,再発防止計画の策定と報告書の定期的な提出も命じられている。

04.10.01ニューズ・コープ,中南米の衛星事業統合へ