川勝知事 リニア着工認可
慎重な姿勢を改めて示す

静岡県の川勝知事は年頭の記者会見で、リニア中央新幹線の県内の工事をめぐって12月、国の有識者会議が中間報告を示したことについて、着工の認可に慎重な姿勢を改めて示しました。

川勝知事は4日、県庁で年頭の記者会見を開きました。

この中で、リニア中央新幹線の工事による水資源への影響について、国の有識者会議が12月に示した十分な対策をとれば影響を抑えられるなどとした中間報告について、改めて見解を述べました。

そして、川勝知事は「中間報告に書かれているのはトンネルを全部掘ってから水を戻すという案だ。掘削中は水を戻せない」と述べ、県が求めてきた流出する水をすべて戻す方法は示されていないことを強調しました。

その上で、「これから半年間、あるいはしばらくかけて、県の専門部会などでJR東海にただしながら、トンネル工事を認めるかどうか、県民に判断を仰がないといけない。国の有識者会議は、その判断を委ねてくれている」と述べ、着工の認可に慎重な姿勢を改めて示しました。

一方、自らの失言、いわゆる「コシヒカリ発言」で去年11月に県議会から辞職勧告決議を受けた際に、「来年は生まれ変わったような人間になってみようと富士山に誓った」と述べたことについて「原点に戻った。平和な人々が和する地域社会を作っていく」と心境を述べました。

岸田首相「早期実現に取り組むと承知」

岸田総理大臣は年頭にあたって4日、記者会見しました。

この中で、国土交通省の有識者会議が十分な対策をとれば影響を抑えられるなどとした中間報告に触れた上で「中間報告を受けて国土交通大臣がJR東海社長に対して地域の不安や懸念が払拭されるよう真摯な対応を継続することを求めたと承知している。国土交通省においても中間報告を活用して、引き続き、水資源問題について地域の理解と協力が得られるよう努めるとともに、トンネル掘削に伴う生態系への影響の軽減を図ることによって、リニアの早期実現に取り組んでいく、こうした取り組みを進めていくということを承知している」と述べました。