道支援の中村哲医師が
銃撃され死亡 政界の反応

アフガニスタンで長年、人道支援と復興に携わってきた医師の中村哲さんが銃撃され死亡した事件についての政界の反応です。

菅官房長官「断固として非難」

菅官房長官は午前の記者会見で「中村医師を含む方々が犠牲となったことは痛恨の極みだ。今回の卑劣なテロは許されるものではなく、わが国は断固として非難し、今後とも日本人の安全確保のために全力を尽くしていくとともに、アフガニスタンの平和と発展のために引き続き貢献していきたい」と述べました。

また、日本政府の対応について「警察庁含む関係機関が連携して情報収集につとめているが具体的な対応を答えることは差し控えたい。また、海外緊急展開チームの派遣を含む支援の在り方は検討中だ」と述べました。

自民 岸田氏「日本人が命かけて頑張っている」

自民党の岸田政務調査会長は、派閥の会合で、「中村さんの大きな功績を改めて振り返り、敬意を表し、ご冥福をお祈り申し上げたい。国際社会では厳しい現実が存在し、日本人が命をかけて頑張っている。今後、中東への自衛隊派遣の問題など 国際社会との関わりを政治の立場から真剣に考えていかないといけない」と述べました。

自民 二階氏「テロを断じて許せない」

自民党の二階幹事長は記者団に対し「誠に無念で、ご家族の心中を思うと大変胸が痛む。何の罪もない尊い生命を奪う卑劣で残忍なテロを断じて許すことはできない。政府は、真相究明を徹底的に行い、このようなテロが二度と起きないよう、最善の努力を尽くすべきだ」と述べました。

国民 渡辺氏「貴重な意見いただいた」

国民民主党の渡辺周外交・安全保障調査会長は「国会で参考人として証言し、当時の民主党でも貴重な意見をいただいた。『何をしてはいけないか。殺してはいけない、戦争に関わってはいけない』という直接いただいたことばを思い起こし、世界の平和と日本国民の安全のためにどのような行動をとるべきか、常に考えなければならない。われわれがきちんと役割を果たすことをお誓いし、心からご冥福をお祈りしたい」というコメントを発表しました。

公明 山口氏「志を共有し努力を」

公明党の山口代表は、党の中央幹事会で「私も中村さんに会って話を聞いたことがあるが、アフガニスタンの貧しい人たちを助けるために支援してきた方で、銃撃で命を奪われたことは許しがたい。アフガニスタンの復興と安定を作り出すため、中村さんの志はこれからも消えることなく、多くの人が共有し、努力していくべきだ」と述べました。

共産 志位氏「世界にとって損失」

共産党の志位委員長は、記者会見で「中村さんは憲法9条に基づく国際貢献とは 何なのかを身をもって体現された方だ。自衛隊の海外派遣の動きがあった際には、『非軍事の国際貢献が危険にさらされる』として、必ず反対していたのが大変心に残っている。中村さんを失ったことは、世界にとって損失だ。心から哀悼の意を表したい」と述べました。