主席”国賓訪日”
新大使が来春で調整明らかに

先月着任した中国の孔鉉佑駐日大使は、都内で会見し、習近平国家主席の国賓としての訪日について、来年春ごろの実現を目指して日本側と調整を進めていることを明らかにしました。

先月着任した中国の孔鉉佑駐日大使は、21日、日本記者クラブで会見し、安倍総理大臣から習近平国家主席に国賓としての訪日の要請を受けているとしたうえで「近い将来の実現が可能だ。例えば、桜満開の時のような季節のいい時にぜひ実現したい」と述べ、来年春ごろの実現を目指して、日本側と調整を進めていることを明らかにしました。

中国の国家主席の国賓としての訪日は、実現すれば2008年に日本を訪れた当時の胡錦涛国家主席以来12年ぶりとなります。

来週のG20大阪サミットに合わせて行われる予定の日中首脳会談でも、習主席の国賓としての訪日について話し合われるものとみられます。

一方で、孔大使は今の日中関係について、沖縄県の尖閣諸島をめぐる対立などを念頭に「海や島の問題での双方の食い違いなど、ぜい弱性と複雑性があるのが両国関係の真実だ。このような問題が存在するかぎり、両国民の互いへの見方に影響を与えるのも事実であり、双方で努力を続けなければならない」と述べました。

そのうえで「両国関係が再びぎくしゃくしないよう努めるのがわれわれの責務だ」として、民間交流の促進に力を入れていく考えを示しました。

中国新大使「日朝首脳会談の実現をサポート」

先月まで、中国の朝鮮半島問題の特別代表を務めていた孔鉉佑駐日大使は21日、都内で会見し、日本政府が目指す日朝首脳会談の実現について「前提条件なしの話し合いを希望するという安倍総理大臣の発言をわれわれは歓迎し、できるだけ早く実現するようサポートしたい」と述べました。

そのうえで「中国としては、北朝鮮と日本の2国間の問題も精算されて初めて、朝鮮半島の政治的解決になる」と述べ、中国としても、朝鮮半島の非核化の問題とともに拉致問題の解決についても重視する姿勢を示しました。

また、日本政府の対応については「日本側としては北朝鮮とアメリカの話し合いを鮮明に支持して、その中で日本との話し合いを模索するのが現実的ではないか」と述べました。