国 習国家主席が初の
訪朝へ 存在感示すねらいか

中国の習近平国家主席は20日から、就任後初めて北朝鮮を公式訪問しキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と会談します。アメリカと貿易摩擦などをめぐり激しく対立する中、習主席としては今月下旬に開催されるG20大阪サミットを前に北朝鮮を訪問し、朝鮮半島情勢をめぐって存在感を示すねらいがあるとみられます。

中国の国営メディアは17日夜、習近平国家主席が、20日から2日間、北朝鮮を公式訪問すると伝えました。

習主席の訪朝は2013年の就任以来初めてで、中国の国家主席の訪朝は14年ぶりとなります。

中朝関係は、北朝鮮が核実験やミサイル発射を繰り返す中で一時、悪化していましたが去年3月に、キム・ジョンウン委員長が訪中して以降急速に改善していました。

会談で、習主席は両国が国交を樹立してからの70年間を振り返り今後の関係について意見を交わすということです。

また、ことし2月に開かれた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わった中、朝鮮半島情勢についても協議し問題の政治的な解決を推し進めていくとしています。

習主席の訪問は、中国が貿易摩擦などをめぐりアメリカと激しく対立する中、今月下旬に開催されるG20大阪サミットを前に存在感を示すねらいがあるとみられます。

一方、北朝鮮はアメリカが制裁の解除に応じず一方的に非核化を要求しているとして不満を募らせています。

このため、アメリカとの交渉にあたって後ろ盾となる中国との関係を一層強化することで、事態の打開につなげたい思惑があるとみられます。

アメリカ「非核化への取り組みに注目」

アメリカのホワイトハウスの当局者は17日、「われわれの目標は北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が同意した、北朝鮮の最終的で完全に検証可能な非核化を実現することだ。世界はキム委員長の非核化への取り組みに注目している」とコメントし、北朝鮮の非核化に向けて中国の習近平国家主席の訪問を注視する考えを示しました。