衆議院補欠選挙は4月23日の日程 山口4区 和歌山1区 千葉5区で

衆議院選挙で、いわゆる1票の格差が最大で2.08倍だったことについて、最高裁判所大法廷は「合憲」、憲法に違反しないという判決を言い渡しました。

2021年10月の衆議院選挙では、1票の価値に最大で2.08倍の格差があり、2つの弁護士グループが「投票価値の平等に反し憲法に違反する」として、選挙の無効を求める訴えを全国の高等裁判所や高裁支部にあわせて16件起こしました。

2021年の選挙は、小選挙区制の導入以来、初めて格差が2倍以下に縮小した前回 6年前と同じ区割りで実施されましたが、格差は再び2倍を上回り、各地の裁判所の判決は、「合憲」が9件、「違憲状態」が7件と、ほぼ半々に分かれていました。

25日の判決で最高裁判所大法廷の戸倉三郎裁判長は「2016年に制度が改正され、選挙区を改定してもその後の人口異動で格差が拡大することを当然の前提として、10年ごとに新たな議席配分の方法を用いて是正することにしていた」と述べました。

そのうえで「今回の選挙当時の格差は、人口の異動以外の要因で拡大したとはいえず、格差の程度も著しいとはいえない」と指摘し、憲法には違反しないと判断して上告を退けました。

15人の裁判官のうち1人は結論に反対し「憲法違反」だとする意見を述べました。

磯崎官房副長官「合憲との判断がされたと承知」

磯崎官房副長官は、記者会見で「選挙管理委員会側の主張が認められ、原告の選挙無効の請求が棄却されており、衆議院選挙当時の区割り規定が合憲との判断がされたと承知している」と述べました。

また、これに伴い、2023年4月に行われることになった衆議院の補欠選挙の位置づけを問われたのに対し「岸田内閣としては、引き続き、内閣の決定した方針への理解を深めていただけるよう丁寧に説明していく」と述べました。

衆議院補欠選挙 4月23日に実施へ 山口4区・和歌山1区・千葉5区で

衆議院選挙の1票の格差をめぐる裁判で、最高裁判所の判決が言い渡されたことを受けて、安倍元総理大臣の死去に伴う衆議院山口4区など、3つの選挙区の補欠選挙は、2023年4月23日に行われることになりました。

現在、衆議院では安倍元総理大臣の死去で山口4区が、議員の辞職で和歌山1区と千葉5区がそれぞれ欠員となっています。

公職選挙法では、欠員が出た場合、補欠選挙を4月か10月の第4日曜日に行うと規定されていますが、1票の格差など選挙の効力に関する裁判が続いている間は、補欠選挙を行うことができません。

こうした中、最高裁判所大法廷は、2021年10月の衆議院選挙で、1票の格差が最大で2.08倍だったことについて「合憲」、憲法に違反しないという判決を言い渡しました。

これを受けて、3つの補欠選挙は、2023年4月23日に行われることになりました。

山口、和歌山、千葉は「10増10減」に伴って区割りが変更されますが、補欠選挙は新たな区割りではなく、これまでの区割りで行われます。

また、公職選挙法に基づき、2023年3月15日までに新たに欠員が生じた場合、補欠選挙の対象となる選挙区が増えることになります。

4月23日は、統一地方選挙の後半戦と重なるため、関係する県の選挙管理委員会は、準備を急ぐことにしています。