国交省 知床観光船沈没 無線設備などの補助制度創設へ

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故を受けて、国土交通省は来年度、小型旅客船の事業者に対し業務用無線設備や救命いかだの導入などを補助する制度を設けることを決めました。

知床半島の沖合で観光船「KAZU 1」が沈没した事故では、電波の届かないエリアがある携帯電話が船の通信設備として国の検査で認められていたことがわかっていて、国土交通省はこうした点を踏まえて安全対策を支援する補助制度を設けることを決めました。

具体的には、通信設備としては今後、携帯電話を除外したうえで周囲の複数の船と連絡できる業務用無線設備や、非常時に救難信号や位置情報を発信できる装置、それに水の中に入らずに救助を待つことができる「改良型救命いかだ」の導入を促進し、その費用を補助するということです。

また、船長らの資質を向上させる教育訓練のため、緊急時の対応や気象情報の知識などを記した教材を作成するとしていて、これらを合わせ来年度予算案の概算要求におよそ26億円を計上しました。

一方、沈没事故の現場は「機動救難士」が1時間以内に駆けつけられないエリアだったことを踏まえ、海上保安庁は来年度、釧路航空基地に中型ヘリコプター1機を新たに配備し機動救難士を配置する方針を決めました。