一時保護に司法審査導入など
法律改正案決定

政府は4日の閣議で、児童相談所が虐待を受けた子どもを保護者から引き離す「一時保護」の際に、裁判所が必要性を判断する「司法審査」の導入などを盛り込んだ法律の改正案を決定しました。

子どもが親などから虐待を受けたとして、児童相談所が対応した件数は、年々増え続けていて、昨年度はおよそ20万5000件と、これまでで最も多くなりました。

こうした事態を踏まえ、政府が4日閣議決定した児童福祉法などの改正案では、子育て世帯に対する包括的な相談・支援にあたる体制強化を図るため、市区町村に対し「こども家庭センター」を設置するよう努力義務を課しています。

また、児童相談所が虐待を受けた子どもなどを保護者から引き離す「一時保護」の際、親の同意がない場合には「一時保護状」の請求を義務づけ、裁判所が必要性を判断する「司法審査」を導入するとしています。

さらに、虐待などに対応する児童福祉司を自治体が任用する際の要件として、新たに創設される認定資格などを念頭に、十分な知識や技術を求めるとしています。

このほか、児童養護施設などで暮らす子どもや若者に対する自立支援について、原則18歳、最長でも22歳までとしてきた年齢制限を撤廃します。

また、子どもへのわいせつ行為などを理由に、登録を取り消された保育士の再登録を厳格化することも盛り込まれています。

政府は、今国会で、改正案の成立を目指す方針です。