北朝鮮 短距離弾道ミサイルと
推定の2発を発射 韓国軍

韓国軍は、北朝鮮が27日午前、東部から日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体2発を発射したと明らかにしました。
北朝鮮は、ことしに入ってからミサイルの発射を極めて高い頻度で繰り返していて、軍事力を強化する姿勢を鮮明にしています。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が27日午前8時ごろ、東部のハムギョン(咸鏡)南道ハムン(咸興)周辺から日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体2発を発射したと明らかにし、アメリカ軍とともに詳しい分析を進めています。

北朝鮮は、ことしに入ってからミサイルの発射を極めて高い頻度で繰り返していて、5日と11日に飛しょう体を1発ずつ発射し、その翌日に「極超音速ミサイル」の発射実験を行ったと発表したほか、今月14日と17日に日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される飛しょう体を2発ずつ発射していました。

さらに、25日には、韓国軍の関係者が、巡航ミサイル2発を発射したとみられると明らかにし、これを含めると、今回の発射はことしに入って6回目となり、軍事力を強化する姿勢を鮮明にしています。

北朝鮮は、19日に開かれた朝鮮労働党の政治局会議で「アメリカ帝国主義との長期的な対決に徹底して準備しなければならない」とする方針を決定し、2018年に表明していたICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験や核実験の中止について見直しを検討することを示唆していました。

一方、アメリカは、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって独自の追加制裁を発表するとともに、国連安全保障理事会で北朝鮮に決議の順守を求める声明の取りまとめを提案していて、北朝鮮としては、こうしたアメリカ側の動きを強くけん制するねらいもあるとみられます。

政府関係者「日本のEEZ内への落下は確認されず」

政府関係者はNHKの取材に対し「北朝鮮から飛しょう体が発射されたという情報があり関係国と連携しながら情報の収集と分析に当たっているが、日本のEEZ=排他的経済水域内への落下は確認されておらず日本の安全保障などに直ちに影響を及ぼす事態とはなっていない」と述べました。

政府高官「被害の情報はない」

政府高官は記者団に対し「被害があったという情報はない。引き続き情報収集と分析を進める」と述べました。

岸防衛相「これから報告を受ける」

岸防衛大臣は午前9時すぎ防衛省に入る際、記者団が「弾道ミサイルではないのか」と質問したのに対し「それも含めてこれから報告を受ける」と述べました。

防衛省は午前9時半ごろから幹部会議を開き、情報の収集や分析などを行うことにしています。