参議院代表質問始まる
ワクチン接種は

国会では9日から参議院で、岸田総理大臣の所信表明演説に対する代表質問が始まり、新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種などをめぐって、論戦が交わされました。

9日の参議院での代表質問では、立憲民主党と自民党が質問に立ちました。

立民 小西洋之氏 3回目ワクチン接種について

立憲民主党の小西洋之氏は、新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種について「厚生労働省によれば、全高齢者への3回目の接種を6か月に前倒ししたくとも、ワクチンの継続的な供給のめどが立たないとしている。ファイザー社との再交渉などで3回目接種を前倒しすることはできないのか」とただしました。

岸田総理大臣は「来年分のファイザーのワクチンの供給契約については、ことし8月20日の段階で1億2000万回分の供給を受けることを前提に協議を進めている旨を公表し、10月7日に契約の締結に至った。今後、供給スケジュールの前倒しなどについて交渉を進めていくことにしている」と述べました。

政府の水際対策について

また、政府の水際対策について、小西氏は「国民に大きな惨禍をもたらすオミクロン株などの流入・まん延を阻止するために、なぜ待機施設の増強、PCR検査の実施などの水際対策を実行できないか。これが命と経済を何が何でも守り抜くという信念と執念に基づく対策なのか」とただしました。

岸田総理大臣は「待機施設の確保については、最大限努力をしており、空港検疫でのPCR検査の実施については、大量の検査結果の判明までの待機時間を短くする必要があることから、迅速に結果が判明し、PCR検査と一致率が高い抗原定量検査が現時点では最も適していると考えている」と述べました。

自民 有村治子氏 自衛官などへのワクチン接種について

自民党の有村治子 元女性活躍担当大臣は、自衛官などへのワクチン接種をめぐり「寝食をともにして警戒監視を続ける艦船や潜水艦は閉鎖空間が多く、より徹底したコロナ対策が必要なはずだ。国境監視を続ける海上保安官や災害救助の前線に立つ自衛官などの緊急度や必要度を精査し、優先接種の仕組みを整えるべきだ」と求めました。

これに対し、岸田総理大臣は「接種の実施方針については、感染や重症化のリスク、ワクチンの供給状況、接種体制、また業務の特殊性や特性などを踏まえながら、優先する対象者を設けるかどうかも含めて総合的に判断していく」と述べました。

国内でのワクチン開発の遅れについて

また、有村氏は、日本国内でのワクチン開発が、海外の国々に比べて遅れていることについて「感染症対策を公衆衛生の問題としてしか認識できていなかった日本と、安全保障を基盤とする産業政策と捉えてきた国々との根本的な認識の違いではないか」と質問しました。

これに対し、小林経済安全保障担当大臣は「経済合理性の乏しい分野への投資や政策立案が不十分だったことが、遅れにつながった。国民の生命を守るために必要な量のワクチンを確保するという医療上の必要性に鑑みれば、国産ワクチンの実現は経済安全保障上、重要な位置づけを持つものだ」と述べました。

木原官房副長官「3回目接種 できるだけ早期に対応」

木原官房副長官は記者会見で「3回目の接種の前倒しの範囲や方法を示すにあたっては、既存ワクチンの『オミクロン株』への効果などを見極めることとしている。効果については、専門家や製薬企業の間で検証が進められており、まずは情報収集をしっかりやっていきたい。そして、専門家の意見も聴くとともに、自治体ともよく連携して、できるだけ早期に対応していきたい」と述べました。

自民 麻生副総裁「総理自信ついてきたのではないか」

自民党の麻生副総裁は、麻生派の会合で「代表質問が衆参両院の本会議で行われているが、意外と岸田総理大臣が『うまくしゃべっているじゃないか』と聞いた人も多いのではないか。いろんな会合で一緒になることがあるが、ユーモアが出てくるなど衆議院選挙で261議席を取って自信がついてきたのではないか。結構なことだ。来年の参議院選挙でも、きっちり過半数を取れるようにしないといけない」と述べました。