弾道ミサイル阻止能力保有
「引き続き検討」にとどめる

政府は、ミサイル阻止に関する新たな方針について、新型のイージス艦2隻を建造するとともに、長射程の巡航ミサイルの開発を行う一方、相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有については、「抑止力の強化について引き続き検討を行う」という表現にとどめる方針を固め、来週にも閣議決定する方針です。

政府は、新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備を断念したことを受けて、代替策の検討を進めるとともに、ことし9月に当時の安倍総理大臣が談話を出し、年末までにミサイル阻止に関する新たな方針のあるべき方策を示すとしています。

これを受けて防衛省では、「イージス・アショア」の代替策として新型のイージス艦2隻を建造するとともに、国産で開発中の地対艦誘導弾の射程を大幅に伸ばし、敵の射程圏外から攻撃できる長射程の巡航ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」として開発する方針です。

一方、与党内では「敵基地攻撃能力」と呼んでいた、相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力をめぐって、自民党が保有を含めて検討すべきだとしているのに対し、公明党はこれに慎重で、議論が進んでいません。

このため政府はミサイル阻止に関する新たな方針では、「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」という表現にとどめ、検討の期限は設けないことで与党側と最終的な調整を進め、来週にも閣議決定する方針です。