長射程の巡航ミサイル開発
野党側批判受け今後議論も

防衛省が、長射程の巡航ミサイルを開発するための費用を来年度予算案に盛り込む方針を示したことを受けて、野党側からは「敵基地攻撃能力」の保有につながり、専守防衛を逸脱するものだと批判が出ており、今後、議論になることが予想されます。

防衛省は、国産で開発中の地対艦誘導弾の射程を大幅にのばし、敵の射程圏外から攻撃できる長射程の巡航ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」として開発するための費用335億円を来年度予算案に盛り込む方針です。

岸防衛大臣は、9日、自民党の国防関係の会合で「隊員の安全を確保しつつ対処を行うためのスタンド・オフ防衛能力の強化に取り組む」と述べ、理解を求めました。

一方、野党側からは、立憲民主党の安住国会対策委員長が「事実上『敵基地攻撃』ができることになり、専守防衛から逸脱する」と述べるなど、これまでの防衛政策を転換するものだとして批判が出ています。

防衛省は「敵基地攻撃能力」の保有を目的としたものではないとしていますが、政府が、年末までに、あるべき方策を示すとしているミサイル阻止に関する新たな方針の検討の中で、自民党は相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有を含めて検討すべきだとしており、これに慎重な公明党も含め、今後、議論になることが予想されます。