衛省の情報公開 開示の
決定期限延長が長期化

防衛省への情報公開請求をめぐり、平成30年度以降、文書の開示期限の延長が長期間になるケースが相次ぎ、中には9年以上とされたケースもあったことがわかりました。防衛省は、特定の部署に請求が集中することなどを理由に挙げていますが、専門家は、長期化の傾向は、防衛省に限らずあり、今の仕組みで解決できるのか検討する必要があると指摘しています。

情報公開法では、文書の開示請求があった場合、30日以内に、開示について決定を行うこととされていて、事務処理上難しいときなどは、30日以内に限って延長、文書が大量なときは、特例として、「相当の期間」延長できるとされています。

この特例を使った開示期限の延長について、昨年度までの5年間に、防衛省の本省が受け付けた開示請求を対象に調べました。

それによりますと、特例を使って延長されたのは合わせて2528件で、延長の期間は、平成29年度までの3年間では、最も長くて「3年以上4年未満」でした。

その後、延長の期間が「4年以上」と長期間になるケースが相次ぎ、「4年以上」は、平成30年度は合わせて64件、昨年度は合わせて30件に上り、このうち最も長いものでは、「9年以上10年未満」とされたケースも4件ありました。

長期化の理由について、防衛省の公文書監理室は、情報公開請求の件数が増加傾向にあることや、特定の部署に請求が集中することがあるといった背景を挙げる一方、「最終的には、延長した期間よりも早く開示決定している」と説明しています。

専門家「長期化の傾向は防衛省に限らず」

NPO法人、情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「情報公開法を作ったときに想定していたような決定期間をかなり超過するような運用実態にあり、請求者の側からすると、制度が機能していないと受け取らざるをえない。長期化の傾向は防衛省に限らずあり、情報公開法が施行されて、およそ20年もたつので、長期化の原因や、今の仕組みの中で解決できるのかを検討する必要がある」と指摘しています。