旧統一教会 被害者救済の法案 修正案が衆院で可決

旧統一教会の被害者救済の法案をめぐり、自民・公明、国民民主の3党が立憲民主党、日本維新の会との協議の内容を踏まえて提出した修正案は、衆議院本会議で採決が行われ、5党と共産党などの賛成多数で可決されました。法案は参議院に送られ、今の国会で成立する見通しです。

旧統一教会の被害者救済をめぐっては、自民・公明、国民民主の3党が国が解散命令を請求した宗教法人の資産状況を適時把握できるようにするなどとした法案を、立憲民主党、日本維新の会が裁判所が財産の管理や保全を命じることができるようにするなどとした法案をそれぞれ提出し、4日まで5党による修正協議が行われました。

協議は合意に至りませんでしたが、自民党などは、協議の内容を踏まえ、法案の付則に3年後をめどに財産保全のあり方を含めて検討を加えるとした修正案を国会に提出し、衆議院法務委員会で審議が行われました。

立憲民主党と日本維新の会は、審議の中で自民党が、財産保全の課題が生じた場合は3年を待たずに検討を加える考えを示したことから賛成する方針を決め、委員会の採決では修正案は全会一致で可決されました。

これを受けて衆議院本会議でも採決が行われ、修正協議を行った5党と共産党などの賛成多数で可決され参議院に送られました。

参議院では、7日に審議入りする予定で、法案は今の国会で成立する見通しです。

元信者ら支援の弁護士「財産処分にどう備えるかが重要」

修正案について、元信者らの支援を行っている「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の弁護士は4日会見を開き、「被害者側の負担が大きい」などとしてさらに修正を求めていました。

このうち阿部克臣弁護士は「自民党などの案では制度上の限界があり、被害者側の負担が大きい。修正案の付則で、財産保全のあり方を含め、検討を加えるとしているが、緊急性が高いので後回しにすべきではない」と話しました。

木村壮弁護士は「自民党などの案は被害者側が裁判を起こして保全するのを支援する内容だが、高齢の被害者などが大勢いる中で数年かかる裁判をできるのか疑問だ。1審で解散命令が出た場合、教団がなりふり構わず財産を処分することが想像され、その事態にどう備えるかが重要だ」と述べました。

そのうえで、弁護士らは教団の財産を包括的に保全することができるよう、さらに修正して今国会で成立させるよう求めていました。