保険証廃止の方針維持で調整 資格確認書は詰めの協議 政府

来年秋に今の健康保険証を廃止する方針について、政府は、いま見直せばかえって混乱を生むとして当面は方針を維持する方向で調整しています。

一方で、国民の不安払拭(ふっしょく)を図るため、マイナンバーカードを取得していない人などに発行する「資格確認書」について、保険証と同様に使えるよう有効期限を柔軟にする案などが出ていて、詰めの協議が続いています。

来年秋に今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化させる方針をめぐっては、相次ぐトラブルを受け、自民党内からも廃止時期の延期を含め見直しを求める声が出たため、政府は対応を検討してきました。

しかし、政府は、来年秋の保険証廃止はことし6月の法改正に伴って決めたばかりで、いま見直せばかえって混乱を生むとして当面は方針を維持する方向で調整しています。

一方で、国民の不安払拭を図るため、保険証の廃止後も必要な医療を確実に受けられるよう環境を整えたい考えです。

具体的には、マイナンバーカードを取得していない人などを対象に保険証を廃止したあと本人の申請に基づき発行する「資格確認書」について、保険証と同様に使えるよう、▽申請を不要とする案や▽有効期限を柔軟にする案などが出ていて、詰めの協議が続けられています。

岸田総理大臣は、対応が決まれば4日にも記者会見を開き、みずから国民に説明することにしています。