2024/01/19(Fri) 17:00信州学校プロジェクト『木曽青峰高校』『さくら国際高校』
話し方などを伝えるアナウンサーの出前授業
信州学校プロジェクト。今月は、2つの高校に行ってきました。
まずは、去年に続き、2回目となる木曽町の木曽青峰高校です。
今年も担当したのは定時制のクラス。
去年私の授業を受けてくれた生徒たちもいて、1年分の成長が見られてとても嬉しかったです。
去年は紙芝居を使ったプレゼンテーション力を高める授業でしたが
今年は、コミュニケーションを深めることがテーマでした。
2人1組になって、お互い相手の長所を交互に引き出すインタビューに挑戦してもらいました。
インタビュー時間は1人5分。お互い顔見知りのクラスメートとはいえ
中学を卒業したばかりの15歳から、日中は仕事をしながら学ぶ26歳までの生徒がいて、ふだんは相手の深いところまで聞き出す機会はあまりないそうで最初は緊張していました。時には敬語を使ったり、時にはフレンドリーに接しながら相手との距離を探っていました。なかなか質問が出せずに沈黙してしまうグループもありました。
私の事前のアドバイスは
・肝心なのは、
引き出す“取材”ではなく“会話”を楽しむこと
そのためには、まず
・第一印象の引っ掛かりを大切に(相手はどんな人?)
(表情、しぐさ、服装、髪型、爪、話し方、声、くせ、間、空気感、目の動きをヒントに)
・相手との距離を探る⇒まずは褒めてみる⇒共通項を見つけてみる
・次の質問は相手の答えから生み出す
(例えば Q.いま打ち込んでいるものは?
A.合唱 ⇒ここから何個質問出せる?)
⇒
大切なのは相手への興味を示すこと
(人は興味を持ってくれている人に好感を持つ)
生徒たちはこうしたアドバイスを受け止めながら
ペアを変えて何度もインタビューを繰り返すうちに
今まで知らなかった相手の長所を次々に聞き出してくれていました。
それをみんなの前で発表してくれた時も実に堂々と大きな声で伝えてくれました。
自分が発見した事を自分の言葉で伝える喜び。
また聞かれた側も、インタビューを受けて話していくうちに自身が意識していなかった
長所に気づけた喜びを話してくれる生徒もいました。
授業が終わった後もこれまで以上にクラスメート同士の会話が弾んでいました。
日常生活も常に周りの人との会話やコミュニケーションで出来ています。
相手を敬い、相手に興味を持ってこれからも会話を楽しみ、
お互いを高め合っていってほしいです。
(授業の様子は1月26日金曜日のイブニング信州で詳しくお伝えする予定です)
そしてもう一校は、上田市にある、さくら国際高校です。
通信制も取り入れていて、生徒に合わせたカリキュラムが用意されています。
およそ90人の生徒の皆さんに
災害報道から考える人権についてお話しさせてもらいました。
お正月に突然起こった石川県能登地方の大地震。
生徒の皆さんも、テレビから流れる様々な情報に触れ、多くの事を感じていたようでした。
なぜ災害報道を行うのか、アナウンサーはどんな気持ちで現場に立っているのか。
被災された方に“寄り添う”とはどういう事か。
これまでの経験から、私自身の葛藤や悩みも包み隠さず話す事で
今後の報道の役割やあり方について、生徒の皆さんと考える事ができました。
1時間半の少し長い講演でしたが、生徒の皆さんが本当に真剣に話を聞いてくれたり
質問もして頂き、とても嬉しかったです。
講演後に生徒から届いた感想には
「能登の地震もどこかで他人事と感じていたが、寄り添うとは自分の事として考え続けるという話を聞いて、自分の考え方が変わった」
「被災者の方へのインタビューは良い事ではないと考えていたが、現地の声を届ける事が支援につながったり、誰かのためになるかもしれないと考えられるようになった」
とありました。皆さんが、まさに自分の事として真剣に受け止めてくれた事が嬉しかったです。
ふだんはテレビを見る機会が少ない10代の皆さんも災害時はNHKを見るという方もいました。
こうしてお話をすると、若い世代の皆さんも自分なりにしっかり受け止めてくれて
テレビの見方を変えてくれるという事を実感します。
私自身も皆さんにこれからも自分の言葉でお伝え続けていく上で、災害報道に答えはないですし、これからも問い続け、考え続けないくてはいけないという思いを強くしました。
また自分の進路を話した時に「過去と周りは変えられないが、自分が変われば未来が変わる」
という自分の座右の銘をお伝えしたのですが、
その言葉も、多くの皆さんが受け止めてくれていました。
今回皆さんと直接会えて、
自分の夢に向かって懸命に努力を続ける皆さんの姿は本当に輝いて見えました。
これからのさらなる躍動を心から願っています。
これからも学校プロジェクトでは多くの皆さんとたくさん交流していきたいと思うのでお気軽にお声がけください!
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投稿者:田中寛人 |