Q28 今後も修繕積立金を支払えるか不安・・・分譲マンションから住み替えすべき?
クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「今後も修繕積立金を支払えるか不安。分譲マンションから住み替えすべきか」というお悩み。マンション管理の専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)
相談内容
今は分譲マンションで快適に暮らしていますが、いずれ年を取って収入が減り、身体も万全ではなくなってきたときにどう暮らすのがいいか悩んでいます。いつまでも修繕積立金などを払い続けられるか不安もあります。元気なうちに処分してサービス付き高齢者向け住宅や賃貸に移ることも視野に入れたほうがいいのでしょうか。
回答
“ 完璧な住まいはありません。自分に合う形を熟考してみてください ”
解説
(マンションみらい価値研究所 所長 久保依子)
いままでお住まいを探されたことがある方は、ご経験の中で「100点満点の住宅は存在しない」ということにお気づきだと思います。駅からの距離、広さ、間取り、地域コミュニティ、そして価格。どこかに折り合いをつけてきたのではないでしょうか。そのときと同じです。戸建て、高齢者向け住宅、賃貸マンション、いずれをとっても完璧な住まいはありません。分譲マンションには課題が多くありますが、ほかの住宅もバラ色とは限らないのです。
高齢者向けの住宅は、所有形態、サービスの内容、介護の程度などにより、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、シニア向け分譲マンションなどに分類され、料金体系もさまざまです。高齢者向けといっても、要介護度が上がるとさらに住み替えが必要になることもあります。また、改善されつつありますが、賃貸住宅では高齢者が入居を希望しても貸主から断られてしまうという現実があります。そして分譲マンションはご相談にもあるように、修繕や建替えの必要が生じます。
自分のライフプラン、マネープランにあった住宅はどのようなものか、ぜひ考えてみてください。かつては「住宅すごろく」と言われ、戸建て住宅を購入すると「あがり」であり、その先は考えないことが当たり前でした。現在では、それぞれの人生に合わせて、住まいについても「終活」が必要だと言われるようになっています。
完璧を求めていては先に物事は進みません。今のマンションに住むよりも良い住宅があれば転居するべきですし、やはり現状が良いと思われるのであれば、今のマンションの将来をほかの住民と一緒に考えていきましょう。
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