アレルギー性鼻炎のケア 「鼻うがい」の効果とは?

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セルフケア・対処アレルギー性鼻炎鼻水が出る鼻がおかしい

花粉やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎。いまや日本のおよそ4割もの人が患っているといいます。いま、手軽なケアのひとつとして注目されているのが、「鼻うがい」です。その方法や注意点を、北里大学メディカルセンターの医師・大木幹文さんに詳しく教えてもらいます。

北里大学メディカルセンターの医師・大木幹文さん

「鼻うがい」の効果とは?

「鼻うがい」の効果とは?

生理食塩水などを使って鼻の中を洗う「鼻うがい」は、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」がルーツとされています。では、実際にどれほどの効果があるのか?今回、アレルギー性鼻炎に悩む10人に協力を得て、1か月間にわたって朝晩2回の鼻うがいを行ってもらいました。その結果、鼻の中の「むくみ」や「出血」などのアレルギー症状が改善。また、鼻水などの自覚症状についても大幅に改善し、日常生活への支障も低下したのです。

鼻うがい前と後でのむくみの改善比較
鼻うがい前と後での自覚症状の変化をあらわすグラフ

症状改善のメカニズムとは?

なぜ、「鼻うがい」でアレルギー性鼻炎の症状が改善するのか?そのメカニズムのカギを握るのが、鼻の中にある線毛(せんもう)細胞と粘液の働きです。生理食塩水によって、異物を排除する働きが改善すると考えられています。

鼻うがいのコツと注意点

「鼻うがい」の器具などは、薬局やインターネット通販で手に入れることができます。北里大学の大木さんによると、実際に行う時のコツと注意点があるといいます。

ポイント① 「生理食塩水の温度に注意」

生理食塩水(濃度:0.9%)は、約38度の「人肌」程度が目安。温度が高いとやけどのリスクがあり、低いと痛みを生じます。なお、真水で行うと痛みが生じるだけでなく、鼻の中の線毛細胞にダメージを与えるので注意が必要です。

ポイント②「声を出して洗う」

洗う時は、「あー」と声を出しながら行います。これは、生理食塩水が気管に入ってむせたり、中耳炎になることを防ぐためです。

ポイント③ 「生理食塩水の勢いに注意」

生理食塩水の勢いは、「強すぎず、弱すぎず」。強すぎると鼻の中の粘膜を傷つける恐れがあり、弱すぎるとしっかり洗浄できません。無理のない範囲で、自分にとってのちょうどよい勢いを見つけてみましょう。

この記事は以下の番組から作成しています。

東洋医学

東洋医学ホントのチカラ「健康の大問題 解決SP」

2022年1月10日(月)午後7:30~[総合] 

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