不正出血が起こる「子宮体がん」 原因や症状、治療について徹底解説

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子宮体がんとは

子宮体がん(癌)は、妊娠中に赤ちゃんが育つ場所である子宮の上部2/3を子宮体部に発生するがんです。多くは女性ホルモンの乱れが原因で起こります。

子宮体がんの症状

子宮体がんの代表的な症状は不正出血で、早期からほとんどの人に現れます。閉経後であれば「時々出血がある」、閉経前であれば「月経以外のときに出血がある」「月経が8日間以上続く」「通常より月経量が多い」といった症状があります。

子宮体がん患者数の増加

子宮体がん患者数の増加

子宮体がんは50~60歳代に多く発症するがんですが、近年は30歳代後半や40歳代の患者も増え、この20年間で患者数は約4倍に急増しています。背景には、結婚・妊娠年齢の上昇や妊娠回数の減少、月経不順、食の欧米化などがあるとみられています。

子宮のがんである「子宮頸がん」との違い

子宮体がんと子宮頸がんとの違い

子宮のがんには、「子宮体がん」「子宮頸がん」の2つがあります。どちらも名称に子宮が付いており、似ている感じがしますが、全くの別物です。

子宮体がんと子宮頸がんの発生する場所

子宮頸がんは子宮下部の1/3の細くなっているところである、子宮頸部にできるがんです。子宮体がんは子宮上部2/3を子宮体部に発生するがんです

発生する場所以外に、発症する原因が異なります。
子宮頸がんは性交渉などによってヒトパピローマウイルスが子宮頸部に感染すると、子宮頸がんを発症することがあるといわれています。20代から40代の方に多く見られる病気です。子宮体がんは女性ホルモンの乱れが原因で発症し、50代から60代の方に多く見られます。

子宮体がんの検診、早期発見するためのポイント

がん検診を自治体でおこなうように国で定められていますが、検診内容は自治体によって異なります。地域によっては、子宮体がんが検診の対象になっていない可能性があります。

子宮体がんをほとんどの場合で不正出血が症状として起こりますので、不正出血が続く場合は子宮体がんを疑って、医療機関を早期に受診することで、子宮体がんの早期発見につながります。

子宮体がんになりやすい人の特徴

以下のような人は、子宮体がんのリスクがあります。

  • 閉経前後の方
  • 肥満がある方
  • 月経不順がある方
  • 妊娠、出産の経験が少ない、もしくはない方
  • 更年期障害などの治療で女性ホルモン単独の薬をのんでいる方

子宮体がんは50代から60代の方に多い病気ですが、若い方でも発症することがあります。上記のように「閉経前後」「肥満」「月経不順がある」「妊娠・出産の経験がない、あるいは少ない」「更年期障害の治療などでエストロゲンを補充する薬を単独で使っている」といった人は、子宮体がんのリスクが高いので注意が必要です。不正出血などの症状がある場合は、放置せずに産婦人科を受診してください。

子宮体がんの治療

子宮体がんの治療

子宮体がんを完全に治すためには手術が基本となります。早期に発見されれば、手術によって8~9割の患者さんは治癒します。早期子宮体がんでは、開腹手術より身体的な負担が少ない腹腔(くう)鏡手術を選択することができます。(2014年4月より保険適用。)

再発の心配がある場合は、術後に抗がん剤による治療や放射線治療を行うこともあります。
子宮体がんには、卵巣がんとの重複がん(それぞれ別個に発生するがん)が多いため、手術では子宮と卵管、卵巣をすべて摘出します。子宮を摘出するため、妊娠は不可能になります。

妊娠・出産を望む場合はホルモン療法をおこなう

妊娠・出産の可能性を残したい場合は、ホルモン療法という方法があります。高用量の黄体ホルモンを4か月から6か月内服して、同時に病変のある子宮内膜をかき取っていきます。

ただし、ホルモン療法はすべての人が適応するわけでなく、年齢制限もある治療法です。また、6割から9割の方で病変が消えて治りますが、治療から2年程度で約半数の方が再発するともいわれています。

そのため、妊娠・出産を希望する場合、病変が消失してから早い段階で妊娠・出産に向けて不妊治療をおこなうことが必要となっています。体外受精を含めた高度な医療を受けることによって、3割から4割の方で妊娠・出産できるチャンスがあります。

手術後に注意点

手術後は、傷口と腸が癒着を起こして腸閉塞を起こすことがあるので、腹痛や吐き気などの異常がある場合にはすぐに受診してください。がんが進行して広がっている場合は、周辺の組織と骨盤内や腹部大動脈の周囲のリンパ節なども摘出します。こうした手術を行った場合、リンパ浮腫や脚の炎症、残尿感や尿意を感じにくくなるといった影響が出る場合があります。適切な対処を行い、悪化させないようケアをすることが大切です。