放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2007年7月

7.2「過剰反応防止にさらなる措置を」新聞協会が個人情報保護で意見書

日本新聞協会編集委員会は,個人情報保護に関して「法の名を借りた情報隠しや,法の目的を曲解した過剰反応を止めるよう更なる措置を求める」との意見書を内閣府に提出した。過剰反応に関しては国民生活審議会の個人情報保護部会が,6月の意見書で法改正の提言を見送っている。

7.6NHK,受信料支払い「督促」07年度内に全国9都道府県に拡大

NHK は受信料を支払わない世帯に対して簡易裁判所を通じて支払いを求める「督促」を大阪府でも開始した。大阪では,簡易裁判所に26件の支払い申立てが行われた。東京都と神奈川県ではすでに行われており,NHK では2008年3月までに,北海道,宮城,愛知,広島,福岡,愛媛の各道県に拡大することにしている。

7.12東京MXテレビ「YouTube」に番組配信開始

東京地区の独立U 局 東京メトロポリタンテレビ(東京MX)が,日本の地上波テレビ局としては初めて動画投稿サイト「YouTube」に専用のページを開設し,番組の配信を開始した。「YouTube」には,私的に録画したテレビ番組が大量に投稿され,テレビ局や著作権団体などがくり返し削除を要求するなど,対立関係が続いていた。

7.12「参院選の当選確実放送を慎重に」総務省が各放送局に要請

総務省は,全国の放送局に対し,2007年7月29日行われる参議院議員選挙の開票速報番組で,当選確実放送等を慎重に行うよう要請した。これまでは文書を郵送していたが,今回は放送局の幹部を呼んで要請書を直接手渡した。民放連報道委員会は7月19日,報道の自由の立場から「好ましくない」との委員長コメントを発表した。

7.13民放地上局の06年度決算4年ぶりに減収・減益

民放連のまとめによると,民放地上局の2006年度決算が2002年度以来4年ぶりに減収・減益となった。地上民放193社の売上高は2兆5,190億円で,新局等を除く既存局(191社ベース)で05年度と比較すると0.3%の減となった。また,経常利益も前年度比15.7%の減。地上民放局の総売上高は03年度から増収に転じていたが,05年度にほぼ横ばい,06年度は4年ぶりの減収となり,地方局を中心に経営環境が厳しくなっている。

7.17データ放送で生活情報を送信 「中越沖地震」でNHK新潟放送局

NHK 新潟放送局が,地上デジタル放送で文字情報を送る県域データ放送を利用して,「中越沖地震」の被災地の住民に生活関連情報を送信した。開始したのは地震発生翌日の17日午前11時で, 内容は炊き出しや給水などの情報。

7.20アナログ放送停止まで4年 地デジ普及に向け全国キャラバン開始

デジタル放送推進協会等は,アナログ放送終了を4年後に控えて,「“地デジ体感”全国キャラバン」を名古屋地区から開始した。12月1日の「デジタル放送の日」までに全国40か所をまわる。地デジ受信機の普及率は2007年3月で27.8%。

7.20通信・放送の法体系見直し NHK,民放連,新聞協会が危惧を表明

総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が2007年6月に公表した「中間取りまとめ」に対して,NHK と民放連,新聞協会が,言論・表現の自由の確保などに危惧があるとの意見を公表し,総務省に提出した。「中間取りまとめ」では,「コンテンツ」に関して社会的機能・影響力に重点を置いて規律を再構成するとしており,インターネットにも規制を導入する方向性を示している。