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大相撲秋場所 同期入門が語る朝乃山の強さの秘密は?

大相撲秋場所 同期入門が語る朝乃山の強さの秘密は?
  • 2023年09月14日

東京・両国の国技館で開かれている大相撲秋場所に挑む富山市出身で大関経験者の朝乃山。

今場所のゆくえについて、朝乃山のことをよく知る幕内の元力士で、朝乃山とは同期入門だった元豊山の小柳亮太さんに伺いました。

同期入門 よきライバル

元豊山の小柳亮太さんは幕内で前頭筆頭までいきました。

元豊山 小柳亮太さん

去年2022年11月に引退し、現在は東京都内でスポーツトレーナーをしています。朝乃山とは、入門が同じ時期でライバルだったそうですが、プライベートでは食事にも行く仲だといいます。

「僕自身もっともっと彼と対戦したかったなという気持ちもありますし、本人もそう言ってくれていたので、ちょっと悔いは残っています」


朝乃山の強さの秘密は?

朝乃山の強さはどこにあるのか、元豊山の小柳さんに伺いました。

「やっぱり上位にいなきゃいけない人だなと先場所を見て改めて感じました。朝乃山の地元の富山のみなさんはもう知っていると思いますが、“右四つ”になったら負けないという型を持っていますし、万全な体勢になれば横綱にもひけを取らないと思います」

相手の左腕の下に自分の右手を差す“右四つ”。

右四つの取り組み

このカタチに持ち込むことができるかが勝負のポイントになるとみています。

「立ち合いにしっかり圧力をかけて相手に当たること。左の上手をしっかり引くこと。この2つができていれば、自ずといい方向に向かっていくと思います」


先場所で痛めた左腕は大丈夫?

ただ、心配なのは先場所7日目に痛めた左腕。このけがで朝乃山は名古屋場所を3日休みました。

稽古する朝乃山

「確実に痛みはあったと思いますけど、幸い左手だったのが残りの取り組みに出られた要因だったと思います。右手が切れてしまっていたら右差しが得意な朝乃山関にはなかなか相撲にならなかったと思いますが、けがしたことで左をうまくいい意味で力を抜いて相撲を取れたのが(先場所の)勝ち越しにつながったと思います」

実は、小柳さんも現役のときに腕をけがして苦しみました。

「彼の場合は部分断裂なんですけど、僕は“けん”が完全に切れてしまったので、力こぶが切れてしまいました。ちょっと間違えたら朝乃山関もそういったけがにつながっていたので、そこまで至らなくてよかったです」

力こぶを見せる小柳さん

けがを狙われたらラッキー?

小柳さんは、このけがが秋場所を戦う朝乃山にとって“よい効果”につながる場面があるのではないかとみています。

「(対戦相手がけがを)狙ってくれたらラッキーだと思います」

朝乃山の取り組み

相手が、けがをした左手側のまわしを取ろうとしてくる時に、朝乃山が得意の“右四つ”の形を作るチャンスが生まれ、上手を取りやすくなると指摘します。

「朝乃山関には“右四つ”という絶対的な型があるので、引っ張り込んで右をこじ入れて左の上手を引けたら、朝乃山関の万全な体勢になると思うので、そこを(けがを)意識させたら朝乃山関の1つ有利になるポイントだと思います」

優勝の可能性は?

上位陣との取り組みが続くとみられる今場所の朝乃山。勝ち上がっていくために特に警戒すべき相手を小柳さんに伺いました。

「三役陣、全員強いのでマークしないといけませんが、先場所でけがをした相手、新大関の豊昇龍関との相撲はいろいろと考えて取らなきゃいけないのかなと思います。新大関もいろんなことをしてくる方なのでそれに対応できるようにどっしり構えて待っていれば対応できると思います」

稽古に励む朝乃山

横綱不在の秋場所ですが、朝乃山の優勝の可能性については…。

「左が万全だったら朝乃山関だったんですけどね。この体ではちょっと分からないので、大関も3人いますし、上位陣に朝乃山関がどういう相撲で勝つのかで今場所の優勝かどうなのか変わってくると思いますが、彼がキーマンだということに変わりはないと思います。富山のみなさんと一緒に朝乃山関を応援できたらと思います」

元豊山の小柳さんが秋場所のキーマンに上げた朝乃山。

けがが悪化せずに、“右四つ”の強さをしっかり発揮してほしいですね。

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