冬の低山に魅力発見!
木附貴哉(カメラマン)
2023年02月27日 (月)
手軽に自然と触れあえて、地元の登山客たちに人気の低山が県内にはたくさんあります。山頂から剱岳などを間近で見られることで人気の千石城山(上市町・標高757m)で冬ならではの自然の風景や登山の楽しみ方を取材してきました!!
雪山ならではの「楽しみ方」「自然の風景」を紹介!
取材に同行してもらったのは、富山県森林研究所で樹木の研究をしている中島春樹さん。山が好きで東京から富山に移り住んだ中島さんは、30年以上の登山歴があります。冬に単独で北アルプスを縦走するなど、研究者でありながら登山経験も豊富です!
今回は中島さんに、冬ならではの自然の景色や登山の楽しみ方を教えてもらいました!
まずは、雪の上を歩くときにおなじみの、かんじき。
足元から伝わる新雪のふわふわした感触と、踏みしめる度に「ボフッボフッ」と鳴る音が面白いんですよね。雪の上の行動範囲が広くなるし、急に雪が降ってきても埋まりにくくなるので、雪山には持って行くと安心ですね!
植物の冬芽を観察するのもこの時期ならではの楽しみ方です!映像の中で紹介した3種類の冬芽(タムシバ、クロモジ、オオカメノキ)は、標高470mの登山口から歩いてすぐのところで見つけました。冬芽って種類によって色や形がほんとに様々なんです!
タムシバのようにふわふわの毛で覆われていたり、
オオカメノキのように真ん中の丸い花芽の周りを小さく縮んだ葉芽が囲んでいる形がウサギみたいに見えたり、それぞれにかわいらしさがあって、登山中に見つけると癒やされますね!
登山中はウサギのあしあとをあちこちで発見しました!カモシカのあしあともありましたよ~。
動物のあしあとを間近で観察できるというのも、雪が降る季節ならではの楽しみ方ですね。どこまであしあとが続いているんだろうって辿ってみたくなっちゃいますよね。
撮影日は日曜日だったので、数組の登山グループにお会いしました!お話しした4組の登山グループのうち県外や外国人の方々もいて、ほんとに人気な山なんだな~と改めてびっくりしました!
外国人グループの人たちが、周辺の雪山の景色を見て「Magical place!!」とうれしそうに話していたのがとても印象的でした。
人の少ない山の中を歩いて静かな時間を味わうのも個人的には好きですが、こうやって山でいろいろな人と出会うというのもまた、登山の魅力の一つですね。
千石城山は冬の季節でゆっくり歩いても2時間程度で登れますが、この日は撮影をしながらだったので5時間ほどかけて登頂しました。前日の天気予報では曇り。展望が見られないのであれば、雪を掘って即席の椅子とテーブルを作って、溶かした雪で温かいお茶を沸かしてほっとするシーンでも撮影しようかな、などと考えていたのですが、登頂してからわずか5分後、、、
なんと雲がすっきり晴れて剱岳の姿をしっかりと拝むことができました!運には恵まれている方ですが、このときばかりはラッキーすぎて飛び上がるほどうれしかったです。小躍りしたい気持ちを抑えてチャンスを逃すまいと必死にカメラを向けていました。撮影できてよかった…
映像の中で中島さんもおっしゃっていたように、市街地から少し足を伸ばすだけで気軽に冬山のすばらしい景色を楽しめるところが、低山の魅力だと思います!
千石城山へのアクセス
今回リポートでご紹介した千石城山へ行くには、富山市中心部から県道6号線を進み、上市川第二ダムを目指します。その先の「ふるさと剱親自然公園」が今回登り始めた登山口です。周辺には車を数台置くスペースもあります。千石城山には複数のルートがありますが、今回紹介したのは傾斜も緩やかで頂上までの距離も短い一番人気のルートです。
低山とはいえ、冬山・・・
今回のルートは傾斜の緩やかな稜線上で樹木も多いため雪崩の危険性はありませんが、低山であっても事前に地形や気象条件をしっかりと調べて、雪崩の危険性がないかなど、確認する必要があります。富山県警察本部の山岳安全課によりますと、登山に出かける際は、深い雪の上を歩くためのかんじきや防寒具など、しっかりとした装備を準備する必要があるということです。また、冬山の天候はとても変わりやすく、急に吹雪になることもあります。必ず冬山登山の経験者と一緒に登るようにして欲しいということでした。