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大相撲“伯桜鵬”新入幕の決意 昭和以降最速のスピード出世!

鳥取県倉吉市出身 落合から改名して臨む名古屋場所
  • 2023年06月29日

大相撲名古屋場所の番付で、倉吉市出身の落合改め伯桜鵬が新入幕! 所要3場所での新入幕は、遠藤と並んで昭和以降最速です。会見で決意を語りました。
 

所要3場所のスピード出世!これまでを振り返って

Q新入幕が決まり、朝、会見までどのような気持ちで過ごしたか?

朝起きたときに両親といろんな方からお祝いのメッセージをいただいて、改めて新入幕できたんだなといううれしさと、これからはもっと厳しくなると思うので、その覚悟を持って過ごしていました。

Q先場所は14勝。場所中に、幕内への気持ちはあったか?

そういう気持ちはなくて、場所前は師匠(元横綱・白鵬の宮城野親方)と一緒の「十両2場所目で12勝」という成績を目標にしていました。ただ、それを達成した時に、十両優勝を意識してしまいました。
14勝1敗という成績を振り返ったら好成績だと思いますが、春場所と夏場所、夏場所の優勝決定戦まで豪ノ山関に3連敗しているのは悔しいです。ただ、今は豪ノ山関よりも弱いというだけなので、宮城野部屋でしっかりと稽古して、番付がどうというよりも、まず自分が根本的に強くなっていきたいと思います。

Q新十両の春場所と十両2場所目の夏場所。心境の違いはあったか?

毎場所、日々やるべきことをやることと、しっかりと準備することを目標に戦っているので、あまり気持ちの変化はないです。ただ、15日間戦う厳しさを新十両の場所で体感して、体の疲れが出たり体重が落ちてしまったりしたので、先場所は食事なども変えて、良い15日間を過ごせたなと思っています。食事を1日5食にしたり、消化のいいものを食べることを部屋のトレーナーさんに考えてもらいました。土俵に上がるときは自分だけですが、それまでにたくさんの方に支えられて、みんなで戦っていると思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。

Q3場所での新入幕。どう思う?

自分でも思っていなかったくらい順調すぎると思いますが、足もとをしっかりと固めて、調子に乗ることなく、毎日やるべきことをしっかりやれば、これからもっと強くなっていけると思います
いろんな方にお祝いのメッセージをいただいて、とてもうれしいですが、“絶対勘違いしてはいけない”ということと、“調子に乗ってはいけない”ということを肝に銘じて、これからしっかりと師匠のもとで頑張っていくことが自分の務めだと思います。

“伯桜鵬”新たな しこ名に込めた思い

「伯」は落合の出身地、鳥取県倉吉市を含んだ地域が古くから「伯耆国」と呼ばれていたこと。
「桜」は倉吉市出身の元横綱・琴櫻をたたえて行われている相撲大会「桜ずもう」に出場したことが、相撲を本格的に始めるきっかけになったこと。
「鵬」は師匠の宮城野親方のしこ名、白鵬から取りました。
 

Q改めて、しこ名に込めた思いは?

先場所の14日目の取組を終えた後に、師匠と2人で相談して、師匠と部屋の関係者の方がいくつか しこ名の候補を挙げてくれました。そして師匠の考えている しこ名と自分の考えた しこ名を上手に合わせることができて、いい しこ名をつけていただいたなと思っています。

宮城野親方

しこ名のアイデアは10個近くありましたね。これが一生、現役時代の名前になっていくので、本人の希望も聞きました。その中で、相撲との出会いだったり、ふるさとへの思いを考えてつけました。最終的には、“桜伯鵬”と“伯桜鵬”の2つに絞って、“伯桜鵬”にみんなが一致しました。

Qしこ名の響きが「白鵬」と似ているが。

「伯」という字があった上で、「桜」という字も地元の小学校の大先輩、横綱の琴櫻関をたたえる「桜ずもう」という大会からいただきました。師匠と琴櫻関、2人の関係ある名前をいただき、すごく重い しこ名なんですけど、この しこ名をもっと自分で広めていけるように頑張ろうという思いが強いです。

Q”伯桜鵬”と言われることには慣れたか?

あまりまだ慣れないところはあるんですけど、朝、番付表にのっている自分の しこ名と親のメッセージを見て、改めて伯桜鵬という しこ名で頑張っていくんだなという気持ちになりました。

故郷 鳥取への思い

Q倉吉、鳥取からの注目もあるが、ふるさとのファンヘの思いは?

入門前も入門してからも、ずっと応援していただいているので、まずは感謝の気持ちを忘れてはいけないと思っています。また、自分が大相撲で頑張れているのは地元に家族がいるからだと思うので、家族への感謝を忘れてはいけないと思います。
大好きな相撲を職業としてやれているのは自分には天職だと思っています。大好きな相撲を取ることで、そして勝つことで、たくさんの方に喜んでもらえる、応援していただけるというのは何より自分たち力士にとって幸せなことだと思いますし、それを忘れた時に相撲人生が終わると思っているので、常に調子に乗らないということを肝に銘じてやっていきたいと思います。

Q同じく鳥取出身の石浦(間垣親方)が引退するタイミング。バトンを引き継ぐという思いはあるか?

自分が小学生の頃からの中学高校の大先輩、石浦関が現役で活躍されていて、鳥取に帰ってこられた時に稽古をつけていただいたこともあります。当時の自分たちは、石浦関のかっこいい姿に憧れて、“いつか自分も”という思いを常に持っていました。自分も同じ宮城野部屋に入ることができて、これからともにやっていくという時に現役を引退されて、“自分がバトンを引き継いだ”という思いが強いです。これまで石浦関が鳥取県を盛り上げてきたように今度は自分が鳥取県を盛り上げる存在になりたいと強く思っています。

「憧れを捨てて戦う」

Q新入幕して迎える今場所。どう戦う?

今までやってきた3場所も次の新入幕の名古屋場所も、土俵に上がるまでの気持ちは毎日変わらない。自分はしっかりと対戦相手に対してできる準備をし、腹を決めて土俵に上がることが目標なので、そこは変わらずやります。また、毎場所一つ一つ目標を作って、その目標を達成するという思いで戦っていた部分もあるので、師匠と同じ「(新入幕場所で)12勝」というのを目標にがんばりたいと思いますが、そう甘くはないと思っているので、まずは稽古して、けがをせずにいい状態で初日を迎えるのが絶対条件だと思っています。

Q現在 目指す相撲の「型」は?

必ず勝つという体勢は、まだ自分にはないんですけど、相手より低くて鋭い速い立ち合いから懐に入って攻めていくのは自分の一つの型だと思うし、左四つという型もあります。ただ幕内の大きな相手には、がっぷり四つで勝てないと思うので、頭をつける相撲とか、いろいろパターンがあると思うので、師匠と相談しながら、どういう型がいいか考えて、その型を磨いていけたらいいなと思います。

Q幕内で対戦したい力士などはいるか?

新十両の時もそういう思いがありましたが、小学生の頃からテレビで大相撲の中継を見ていて師匠が現役時代に対戦していた方もいるので、そういう方と自分が相撲をとれるのは怖さはありますが、うれしさもあり感慨深いです。ただ、その気持ちをすべて捨てて、その日その日に勝つ準備をして勝ちにいくことが自分の仕事なので。師匠からは『土俵の上では憧れを捨てて勝ちにいくことが大事だ』と常に教えていただいているので、その思いをもって15日間取りきりたいと思います。

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