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ココに注意!「減少する防犯ボランティア」

「ながら見守り」で地域の安全を守ろう!
  • 2024年05月15日
2024年5月10日放送

登下校の見守りやパトロールなどで地域の安全を守る「防犯ボランティア」
いま、参加する人が減少しています

香川県警がまとめた県内の防犯ボランティアの人数です。
ピークだった平成19年には3万3000人を超えていました
それが、年々、減少していき去年は1万6800人余り
ピークの半分となりました。
背景にはボランティアの高齢化やなり手不足が指摘されています。
子どもたち、そして地域の安全をどう守っていくのか。
現場では模索が始まっています。

子どもたちを見守る現場は…

朝7時すぎ。
集まったのは高松市太田南地区の防犯ボランティアです。
児童の登校に合わせて、毎朝、横断歩道や交差点で見守りをしています。

代表の吉原和夫さん81歳
10年以上活動を続けていますがなり手の確保は年々、難しくなっているといいます。

吉原和夫さん

若い方は仕事でお忙しくて参加できない
あるいはお年寄りもですね、
高齢化して参加できないということもあります。
なんとか確保するという活動を
地道に続けていくということしかないと思ってます。

メンバーは、およそ120人
人数自体は横ばいですが、活動を始めたとき65歳だった平均年齢は現在71歳になりました。

子供たちがすくすく元気に育っていくためには、
何より自分の命を守るということが必要です。
子どもたちの安全を守るということを
ぜひ継続していく必要があると思います。

防犯ボランティア減少でどんな影響が?

地域の防犯に詳しい香川大学の大久保智生准教授に聞きました。

漆原アナ

防犯ボランティアの方が減少していくと、
子どもたちにとってはどんなリスクが想定されますか?

大久保准教授

地域の担い手がこのまま高齢化していくと、
やはり防犯活動が縮小していって、
子どもの安全に影響が出てくると思います。
今までだったら、大人がいて犯罪に遭わなかった子が、
犯罪に遭ってしまうということは考えられると思います。

だからこそ「ながら見守り」

地域の安全を守るために、大久保准教授は防犯ボンランティアだけに負担をかけない仕組みが必要だといいます。
その1つが「ながら見守り」です。
日々のウォーキングランニングといった日常生活をしながら見守りなどの防犯活動につなげる取り組みです。

今いる防犯ボランティアさんのように特定の年代が防犯活動をするのではなくて、
もっと地域ぐるみ多くの人たちが防犯に関わっていくのが重要です。

「ながら見守り」のポイントは?

「見えにくく・入りやすい」場所を見ること。
「ホットスポット」と呼ばれています。

なるほど、ホットスポットですか。
具体的にどんな場所になるんでしょうか?

例えば「両側に塀のある場所」
また片側とか両側に木、雑木林があったり、
水辺、水路とかもそうです。
こうした場所が危険と言えます。
見えにくく、入りやすい場所だからです。

塀や木などの遮蔽物でまわりから見えにくい場所や、人の目が入らず落書きをしやすい場所は、犯罪が起きやすいとされています。
「ながら見守り」で重点的に見回ることで、犯罪の抑止につながるといいます。
大久保准教授はこの考えのもと「ホットスポット」をみつけられるアプリを大学で開発しました。

「見守ってミイマイ」というウェブアプリです。
地図上に表示された赤いピンが「ホットスポット」を示しています。

アプリを使って見回る取り組みも…

夜8時。
仕事を終えた人たちが高松市の中央公園に集まりました。
ランニングをしながら「パトロール」をする団体「パトラン高松」です。
アプリのルート検索機能を使って「ホットスポット」を見回る活動を続けています

この日も、ランニングをしながら落書きされた場所を見つけました
人の目が入りづらい場所を複数人で見回ります。
新たな「ホットスポット」を確認したら、アプリに追加登録していきます。

大久保准教授

日々のウォーキングとかランニングに少し防犯の視点を入れてもらって、
『見えにくくて、入りやすい場所』というのをぜひ回っていただきたいです。
それだけでも防犯活動になります。
人の目が入ることで犯罪が減っていくっていうのを知ってもらえたらと思います。

  • 藤松 俊太郎

    高松放送局 記者

    藤松 俊太郎

    2021年入局。
    香川の事件・裁判を担当。
    取材を通して、小学生のころ黄色い旗を持ったボランティアに見守られていた記憶が蘇りました

  • 漆原 輝

    高松放送局 アナウンサー

    漆原 輝

    子どものマンションからの落下事故や園児の通園バス置き去りなど、子どもの安全に関する様々なテーマを取材

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