「しつけの悩み」で放送しきれなかった質問と回答を紹介します。
また、これまで番組で悩みを相談したパパ・ママがその後どうなったかをお伝えします。
大日向雅美(恵泉女学園大学学長 発達心理学)
遠藤利彦(東京大学大学院教授 発達心理学)
「トイレでおしっこできるといいな」の回で、トイレトレーニングを始める時期に悩んでいたママはその後?
<前回の放送での質問内容>
トイレトレーニングはいつから始めるべき?
▽それから3か月後の様子
一番上のお姉ちゃんが、ママの代わりに、妹をトイレに誘ってくれるようになりました!
さらに、妹の髪をとかすなどトイレトレーニング以外でも、妹の面倒を積極的に見るようになってくれたそうです。
「3人の子どもがいるのですが、3か月前よりも、1番下の子がさらに手がかかるようになり、私も仕事に復帰したため、真ん中の子のトイレトレーニングになかなか手がまわらない状態です。スタジオで専門家にお話を聞いた時に、お姉ちゃんに手伝ってもらうのがいいと聞いて、お姉ちゃんに試しに頼んでみると、トイレに連れて行ってくれるようになりました。それからは、自分の手が空かないときは、お姉ちゃんにお願いするようになりました。とても助かっています。」
「困った!子どもの偏食」の回で、好きなものしか食べてくれないことに悩んでいたパパはその後?
<前回の放送での質問内容>
好きなものしか食べないのは大丈夫?
▽それから2か月後の様子
「1番変わったのは自分の気持ちだと思います。以前は、子どもが好きなもの以外は食べてくれないのは、自分の調理のしかたやメニューの出し方が悪いのかと思っていました。でもスタジオで『子どもは成長の過程で偏食になることがある』と教えていただき、気持ちが楽になりました。」
気持ちが楽になったパパは、子どもと一緒に料理をしてみたり、食べるときは一品ずつ出すようにしてみたり、他の物を食べてくれるようにとさまざまな工夫をすることができるようになったそうです。
そして、さまざまな工夫をしてみた結果、好きなもの以外も食べてくれるようになりました!
しつけのルールが夫婦で違うと子どもは混乱する?
「しつけの悩み」の回より
子どもが何かをやってしまったときに、パパは注意するのですが、私は許してしまうことがあります。子どもに対するしつけのルールが違うと、子どもは混乱してしまうのでしょうか?
(2歳2か月の男の子をもつママより)
夫婦間の違いよりも、親個人の中で一貫していることが大切
回答:遠藤利彦さん
確かに、お父さんとお母さんのルールが違うことで、一時的な混乱はあるかもしれません。
しかし、そのようなやり取りを繰り返す中で、子どもは、お父さんお母さんが、それぞれ違う一個人だということを認識するようになっていくと思います。
お父さんとお母さんの間でのルールの違いを気にするよりも、お母さんの中でルールが一貫している、お父さんの中でルールが一貫していることが大切です。
意見が食い違ったときにその場で話し合う
回答:大日向雅美さん
意見が食い違ったときは、子どもがいる前でも、話し合うようにするといいと思います。
お父さんとお母さんが話し合っている場面を見ることは、子どもにとっても大事なことです。
お父さんとお母さんでも、価値観が違うところもあって、お互いに話し合って納得するルールを見つけようとしているんだと感じ取ることができます。
また、自分のことをめぐって、お父さんとお母さんが一生懸命話し合いをしている姿を見ると、子どもは自分は愛されているんだなと感じられますよ。
無理やりでもあいさつはさせた方がいい?
「しつけの悩み」の回より
一番上の子が人見知りをするため、あいさつがなかなかできません。あいさつは社会生活の中で大事なことなので、無理やりでもあいさつさせた方がいいのでしょうか?
ママやパパがお手本になるべき
回答:大日向雅美さん
あいさつは「しなさい」と言われてもできることではありません。
ママやパパがいろんな方にあいさつしている姿を見ると、徐々に学んでいきます。
小学校や中学校で、体育会系のところでは、上級生には絶対あいさつしないといけない、あいさつしなければ罰を加える、というように厳しくやっているところもあります。でも、そのようにしつけられた子どもたちは、大学生や社会人になったときには、かえって自分からあいさつしないのです。強制されないとあいさつしなくなってしまう。そちらの方が怖いですよね。
しつけは、乳幼児期だけではなくて、思春期、青年期とずっと続くものだと、長い目で見てあげるといいかと思います。
【山根良顕のパパ修業】絵本の読み方のポイント
「山根良顕のパパ修業」は、新米パパの山根良顕さんが、良きパパになるための方法を学んでいくコーナーです。
子育てにお悩みのパパ、ぜひ参考にしてみてください!
今回のテーマは、“絵本の読み方”。
教えていただく専門家は、井桁容子(東京家政大学ナースリールーム・主任保育士)さんです。
絵本の読み方のポイント
(1)読み始めは、どんな物語なのかを想像させるために、タイトル・作者名をきちんと読む。
(2)読むときは、子どもが物語にひきこまれるように、優しい声でメリハリをつけてゆっくり読む、せりふ部分は色合いをつける。
(3)子どもが内容に興味を持ったら、丁寧にこたえてあげる。どうしても興味をもてないときは、別の本にする。興味を持てない本を無理に読み続けなくてもいい。
(4)読み終わったら、「おしまい」と余韻を残すようにゆっくり本を閉じる。
さらにここをチェック!!
絵本を読むとき、絵本のストーリーを“説明”しようとしたり、言葉を覚えさせようとしたりして読んでいませんか?
確かに、絵本には言葉を覚えられる、新しい単語を教えられるという教育的な側面がありますが、広く捉えると絵本は芸術でもあります。
絵本の感じ取り方は子どもの自由です。絵本のストーリーを説明して、大人の考えを押しつけるのではなく、絵本の世界を自由に楽しませてあげましょう。
※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです