赤ちゃんの肌はつるつる・すべすべだけど、とてもデリケート。小さいうちからのスキンケアが大切です。乳幼児のスキンケアについて教えてもらいました。

今回は、スキンケアの基本とあせも。スキンケアは生後すぐからスタートするのが好ましいとされています。すべすべに見える乳幼児の皮膚はとても傷つきやすいので、日頃からのケアが大切なのです。

講師:
馬場直子(神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長)

乳幼児の肌

ママのおなかの中は、赤ちゃんの肌にとってあらゆる刺激から守られた快適な環境です。

生まれたあと、肌は空気の乾燥など、多くの刺激にさらされます。

皮膚は薄く、新生児の表皮は大人の半分しかありません。皮脂分泌量も圧倒的に少なくなっています。乳幼児の皮膚は乾燥しやすく、バリア機能が未熟で少しの刺激でも炎症を起こしやすいのです。


赤ちゃんスキンケアの基本

皮膚が弱い赤ちゃんのスキンケアの基本は3つ。「清潔にする」「しっかり保湿する」「できるだけ肌に刺激を与えない」です。これらを心がけてスキンケアしましょう。

生後すぐからスキンケアしてもいいの?

生後すぐからスキンケアを始めることで、肌の機能が弱くなることはありますか?

回答:馬場直子さん

スキンケアで肌本来の機能が弱くなることはありません。炎症を起こしてから強い薬を塗るよりも、清潔と保湿によって、日頃から皮膚のバリア機能を高めて、炎症を予防することが大切です。


あせも

あせもは、夏に起こりやすい皮膚の炎症です。汗をたくさんかいたときに、汗を分泌する汗腺がふさがってできる小さなボツボツで、かゆくなったり、ヒリヒリ痛くなったりすることがあります。

汗を分泌する汗腺の数は、子どもも大人も同じ数で200万以上あります。汗腺の数は一生を通して変わらないため、大人に比べて、子どもは汗腺の密度が高くなります。基礎代謝が活発で、体温も高いので、汗をかきやすく、あせもになることが多いのです。


あせもの予防

汗の中には抗菌成分がありますが、肌に汗が残ったままだと、細菌や汚れがつきやすくなります。汗腺が詰まり、あせもができやすくなってしまうのです。

あせもを予防するには、汗のたまりやすい、わき・首・ひじやひざの内側などをよく洗うことが大事です。

汗を洗い流すと、肌に必要な皮脂も流れてしまうので、洗ったあとの保湿を忘れないようにしましょう。

また、あせもの予防には涼しく蒸れない環境も大切です。

夏でも肌の保湿をしたほうがいい?

夏は汗をかいて肌がしっとりとしていますが、それでも保湿剤を塗ったほうがいいですか?

回答:馬場直子さん

汗で肌が乾燥しないと思うかもしれませんが、肌を守るために必要な皮脂と汗は別物です。何度も汗を拭ったりシャワーで流したりしていると皮脂まで奪われてしまうので、より乾燥してしまいます。夏こそ、皮膚を清潔にして保湿剤でバリア機能を守るケアが必要です。


無理のない範囲で、日頃からのスキンケアを習慣にしていきましょう。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです