赤ちゃんが生まれると、ママやパパはお世話で大忙し。中でも頭を悩ませるのが「授乳」です。母乳やミルクのさまざまな悩みや疑問について、岩佐寛子さん、笠井靖代さんに教えていただきます。
今回のテーマは、「母乳やミルクとの上手なつきあい方」です。
岩佐寛子(助産師)
大切なのはひとりで抱え込まないこと。専門家のサポートを受けながら、自分たち親子にあった授乳方法を見つけてください。
笠井靖代(日本赤十字社医療センター/産婦人科医)
いつまで母乳を続けたらいいの?
双子の男の子を母乳とミルクの混合栄養で育てていますが、いつまで母乳を続けるか悩んでいます。ネットなどで、母乳のほうがアレルギーになりにくいといったメリットをみると、もう少しあげたほうがいいのかなと思いますが、離乳食もはじまり、ミルクと母乳、それが2人分で大変です。卒乳したほうがいいのか、何が正解なのかわかりません。
(男の子6か月双子のママ)
赤ちゃんが自然に卒業するのを待つ
回答:笠井靖代さん
赤ちゃんが自然に卒業するのを待つのが、今の考え方です。細々であっても、お母さんのほうから無理にやめる必要はありません。赤ちゃんが、ほかの楽しいことや興味があることに気持ちが動いて、自然に母乳を卒業していくのを待ちましょう。それぞれのやり方で、お子さんに合わせることを大事にしてください。
ミルクの場合は、免疫物質などを与えることができないのではと心配です。
妊娠中にも母親から免疫物質が移行している
回答:笠井靖代さん
産後の最初の1週間の母乳は、初乳と呼ばれ、免疫物質を多く含んでいるので、できるだけ与えることが望ましいといわれています。ですが、妊娠中にもお母さんのへその緒を通して、たくさんの免疫物質が移行しています。初乳も含めて、母乳があげられないという方でも、ミルクに不安を感じる必要はありません。
高年での妊娠出産。母乳は大丈夫?
現在、全体の30%が高年での妊娠出産だといわれています。年齢のせいで母乳育児がうまくいかないのではと悩むケースがあるようです。
まわりのサポートが大切
回答:笠井靖代さん
まわりがきちんとサポートしていけば、高年齢だから母乳が全く出ないということはありません。例えば、帝王切開分娩の場合は、術後、お母さんの心身の回復に時間を要します。すぐに母乳育児が始められない方も少なくありません。その時期に適切なサポートを受けられることが望まれます。
母乳にまつわる悩みは一人一人違います。授乳をスムーズに行うためには、専門家のサポートだけではなく、家族や周囲の理解がとても大切です。
岩佐寛子さん
まわりの人は、授乳しているママに、つい「赤ちゃんが泣いてるよ。足りないのでは? ミルクを足せば?」と言いがちです。そのような言葉は、ママにとってプレッシャーになるので、封印してください。ママが授乳しやすいような雰囲気を作っていただけたらいいなと思います。
※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです