子どもが思わずお手伝いしたくなるアイデアや、家族の1日がハッピーに終われるアイデアなど、子育ての悩みを知恵と工夫で楽しく解決してくれる「子育てアイデア」を特集します。

ゲスト:
木下ゆーき(子育てインフルエンサー/3児のパパ)

家族円満! うれしかったことカレンダー

お姉ちゃんは、弟が生まれたことがうれしい反面、ママに甘えたい気持ちもあり、ちょっとしたことで気分を損ねたり、できることをしなくなったりしていました。ママも気持ちの余裕がなくなり、お姉ちゃんを叱ることが増えていきました。

そこで考えたアイデアが「うれしかったことカレンダー」です。

まずは家族4人で、寝る前や夕食のときに、その日の「うれしかったこと」や「楽しかったこと」を話し合います。親自身が楽しかったことを話していると、子どもからも出やすくなります。

この日、パパが「楽しかったこと、うれしかったことは何?」と聞くと、お姉ちゃんは「ママに上着を縫ってもらったこと」と答えていました。それを、カレンダーに書き込みます。ときには「弟がおかゆ食べた!」など、自分のことではないことも言ってくれます。
無理に引き出すことがないように、「毎日書かなくてもいい」と決めています。

最後に、お姉ちゃんが色鉛筆で飾りを描いて仕上げます。さらに、月ごとの挿し絵を描いてもらうと、より子どもの参加感がアップします。

このカレンダーを、みんながいつでも見られる場所に飾っておくんです。

夜、楽しいこと・うれしいことを話すことで、その日のしめくくりが楽しい気持ちになります。ママは、イライラしたり怒ったりすることが減っていきました。

紙とペンだけで、家族が笑顔で1日を終われるアイデアです。


鈴木あきえさん(MC)

すばらしいアイデアですね。1日がハッピーに終わって、あとで振り返ったときもうれしくなります。ほかには変えられない、思い出の宝物になりますよね。純粋に、子どもの楽しかったことを知りたいし、こんな時間がなければ引き出せないエピソードもあると思います。

木下ゆーきさん

すごくいいですね。楽しかったエピソードを、家族でわいわい話し合うこと自体がすてきです。形に残るのもいいですね。

―― 木下さん、家族がハッピーになるアイデアはありますか?

木下ゆーきさん

わが家では、「おもしろかったエピソード選手権」をやっています。おもしろかった、笑ったというエピソードをメモしておいて、月末にその月の「No.1 エピソード」を決めるんです。年の終わりには、今年の「No.1 エピソード」を家族で話し合って決めています。

鈴木あきえさん(MC)

たしかに、子育てをしていると時間があっという間に過ぎてしまうので、意識的にエピソードを残さないと、ただ過ぎ去ってしまいますよね。


厳選! 木下ゆーきバズり動画

木下ゆーきさんは、子育てで感じるイライラを、笑いに変えて楽しむことで乗り切っているといいます。木下ゆーき流子育てアイデアを紹介します。

おむつ替え 職務質問編

おむつ替えのとき、「こんにちは~ ●●県警です。調べさせてもらっていいかな?」「うーん、反応が出てるね。21時30分、おむつ替えやらせてもらいます!」のように、警察官になりきって職務質問ごっこをしながらおむつ替えをします。

ミルク飲み会

なかなかミルクを飲んでくれないとき、「もっと飲んどけばよかったって、ぎゃんぎゃん言ってくるじゃないですかぁ~」「飲んどきましょ社長、どうぞどうぞ」「いい飲みっぷりですねぇ~」のように、飲み会ごっこをしながらミルクをあげます。


古坂大魔王さん(MC)

ネタとしていいですね。言ってみればもしも系ですが、愛があふれていると感じます。

鈴木あきえさん(MC)

ママが笑ってる声で、こんな雰囲気の家庭なんだと思って和みます。おもしろさもあるけど、ほっこりもするんです。

―― こういったアイデアは、どのように考えてますか?

木下ゆーきさん

話題になるきっかけになったのが「おむつ替え動画シリーズ」なんです。はじめは、ただやっていたことを、妻がたまたま撮影したものでした。公開すると大きな反響になって、みなさんからリクエストが来るようにもなりました。子育ては大変なこともあるので、「楽しまないとやってられない」という気持ちもあります。


プレイバック!アイデア大賞2019

2019年に放送した「すくすくアイデア大賞」から、よりすぐりのアイデアを紹介します。

お母さん助カルタ

ママは、まだ手がかかる下の子の世話で忙しくなってしまい、お兄ちゃんはさみしそうな様子を見せることが多くなりました。そこで、お兄ちゃん中心のあそびをしてあげたいと考えたのが「お母さん助カルタ」です。

1人で着替えができたときなど、親が助かる行動をしたときに写真をパチリ! 撮りためた写真を、カルタにします。

例えば「た」の札は、たたんだ洗濯物をしまってくれときの写真です。自分の写真を見るのが大好きなお兄ちゃんにもうれしいアイデアなんです。

このカルタをはじめてから、弟と一緒にあそぶことが増えました。パパも「仕事でいないときの息子のいいところを知ることができるのが楽しい」と言っています。

お姉ちゃんのお楽しみトイレ

ママが「なかなかトイレでうんちができない⋯」と困っていた弟のトイレ。そこで3歳年上のお姉ちゃんが考えたアイデアが「お姉ちゃんのお楽しみトイレ」です。

まず、少しでも弟がうんちのそぶりを見せたら、すぐに「はい、行くよ!」と手を引いてトイレに連れて行きます。ドアを閉めたら、「がんばれ!がんばれ!」と全力応援します。うんちが出るまで何分でも続けるんです。

うんちが出たら、本気で喜びを分かち合います。

続いて、お姉ちゃん手づくりの金メダルを授与。

最後に、ご褒美のくじ引きです。くじ引きの賞品は、「おとうさんの たかい たかい」など、家族と好きな遊びができるチケットが入っています。
ママは「お姉ちゃんのおかげで、うんちが家族の楽しいイベントになった」と感謝しています。

おやすみかくれんぼ

続いては、保育士さんから届いた寝かしつけのアイデアです。

お昼寝の時間は、まだまだ遊びたい子どもたちを寝かしつけるのが大変。そこで、子どもたちに「寝るのがイヤだったら、かくれんぼして遊ぼう」と提案します。「先生が目をつぶって数をかぞえるから、自分のお布団に隠れて」と言うと⋯⋯

子どもたちはお布団の中に隠れはじめました。寝かしつけの最初のハードルである「布団に入らせること」を「かくれんぼ」の提案でクリアするのがポイントです。

子どもたちが隠れたら、「1、2、3」とかぞえます。最初は10ぐらいの短いカウントで、子どもに寝かしつけようとしていることが悟られないようにします。
少しずつカウントを増やしていくと、いつの間にか子どもたちが眠そうな顔を見せます。

ここまできたら、カウントしながら一定のリズムでトントンしてあげると眠りについてしまうのです。最後は、おふとんから顔を出してあげます。


木下ゆーきさん

どれもすごいアイデアですね。うまく遊びを取り入れて問題を解決しているように思いました。

鈴木あきえさん(MC)

親子やきょうだい、先生など、いろんな角度の愛情が見られましたよね。


親子でうれしい! おしごとチャレンジ

3人姉妹の子どもたちは、とっても仲よし。でも、パパは遊びだけでなく、もう少しお手伝いもしてほしいと思っていました。そこで、考えたアイデアが「おしごとチャレンジ」です。

まずはパパが、子どもたちに手伝ってほしい仕事をリストアップします。仕事を決めたら、紙に貼って一覧にします。

そして、子どもたちは、その中から自分のやりたい仕事を選びます。

仕事は、子どもでもギリギリ手伝えて、親が助かるものにしています。でも、どうして子どもたちは素直にお手伝いしているのでしょうか……

実は、仕事ごとに金額を設定して、おもちゃのお金がもらえるようにしています。

お手伝いが終わったら、おもちゃのお金とお菓子を交換できる仕組みです。やったことのないお手伝いは、チャレンジしてほしい気持ちを込めて高めに設定しています。
お金の計算を考えるなど、社会性にもつながるアイデアです。

パパのコメント
子どもたちの面倒を見るときに、一緒になって楽しんで、「これはおもしろいかも」というアイデアをどんどんチャレンジしてます。評判が悪いアイデアもたくさんありますが、反応のよいものを続けています。


木下ゆーきさん

子どもから見ると、お手伝いは遊びを中断しないといけない、少し退屈な時間になりがちですよね。それを、うまく遊びに変換しているところがすてきです。子どもができるギリギリの仕事を設定しているのもいいなと思いました。

―― パパ自身が楽しんでいることが伝わりますよね。木下さんは、お手伝いをしてもらいたいとき、工夫していることはありますか?

木下ゆーきさん

子どもの「やる気スイッチを入れる言い回し」を意識して、声かけしています。例えば、単に「〇〇をやって」と言うのではなく、「〇〇をやってほしいけど、できないよな~ 難しいかなぁ~」のように、子どもの負けず嫌い精神を刺激するんです。「できるもん、やる!」と言ってきたら、大げさに驚きながら「すっごい、できると思わなかった!」と伝えると、子どもの達成感が満たされます。


アイデアを考えるポイント

―― 木下さん、アイデアを考え出すポイントは、どんなところだと思いますか?

子どもが何に興味があるのか、ふだんから観察して情報収集すること

木下ゆーきさん

子どもは、大人のまねをしたい気持ちが強いと思います。そんな子どもが「何をしたいと思っているのかな?」「何に興味を示しているのかな?」といったことを、ふだんから情報収集していると、ヒントが見つかると思います。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです